NHK杯戦の囲碁、先週は三重旅行で見られず、2週間ぶり。今日の対局は黒番が淡路修三九段、白番が鈴木歩七段。淡路九段はロッキーと呼ばれた豪腕の持ち主。鈴木七段は、女流で六段から七段へ賞金獲得額で上がった実力の持ち主です。林漢傑七段の奥さんです。対局内容は、右辺に模様を張った黒に対し、白が手をつけていきますが、右上隅三々に白が入ったのがやや早すぎなのと、その後の打ち方がまずく形勢としては黒に傾きました。しかし、右上と右下の白を分断しようと、黒が頭をぶつけて白を切断に行ったのが良くなく、白二子は取れましたが、右上の黒を薄くしてしまいました。結局この黒は取られてしまいました。その後、下辺の白を攻めて劫になり、この白を取ることが出来ましたが、その代わり上辺に手をつけられて最後はこの黒も取られてしまい、黒の投了となりました。鈴木七段は先週の林漢傑七段と一緒に2回戦進出です。
「Igo」カテゴリーアーカイブ
NHK杯囲碁 謝依旻女流本因坊 対 瀬戸大樹八段
本日のNHK杯戦の囲碁は謝依旻女流本因坊と瀬戸大樹八段の一戦。謝依旻女流本因坊は、女流名人九連覇を達成し、女流のNo.1です。対する瀬戸大樹八段は、棋聖戦リーグ1期、本因坊戦リーグ3期在籍の実績を持つトップ棋士です。ちなみにこの2人と高梨聖健八段は、Monotoneという歌手ユニットを結成しています。対局は、黒の謝女流本因坊が序盤早い段階で、下辺に踏み込んだ白をツケコシで分断に行き仕掛けます。(余談になりますが、早碁に強い棋士は、概して仕掛けが早いようです。例えば結城聡九段など。)複数の石がからみ合った戦いになりましたが、黒が終始攻勢を維持して寄せに入りました。地合だけなら細かい碁でしたが、黒は白の大石に劫で寄りつき、白は連絡だけの手を打たされ、黒が劫を解消して、ここではっきりと黒リードになりました。終わってみれば、黒の三目半勝ちでした。
井山7冠王雑感
今回、井山裕太棋聖は7冠王を達成しましたけど、将棋の羽生さんの7冠王に比べると事情が違います。将棋は日本でほぼ完結していて、日本のタイトルを独占すればそれ以上のものはありません。囲碁もかつては日本が世界No.1でしたが、最近(2000年代になってから)は、国際棋戦では、中国・韓国の後塵を拝し、日本の棋士はほとんど勝つことができません。井山7冠王にしてからが、国際棋戦では勝率5割くらいの成績しか上げていません。つまりは7冠王といっても、所詮は日本でのローカルチャンピオンに過ぎません。賞金獲得額のランキングでいうと、井山7冠王は世界ランキング4位くらいぐらいになるようですが、とてもその地位にふさわしい勝ち方を国際棋戦ではしていません。井山7冠王は今後は世界を目指して欲しいと思います。
一方で、今後誰が井山棋聖の7冠を阻止するかですが、平成四天王みたいな人達より、今の10代、20代の若い棋士に期待したいです。具体的には一力遼七段とか、今回十段を取られてしまいましたが、伊田篤史八段とか。
井山裕太棋聖、7冠達成
井山裕太棋聖が、本日行われた十段戦第4局で勝利し、ここに前人未踏の7冠を達成しました。信じられないような快挙だと思いますが、私の興味は今後誰が、井山棋聖の7冠をストップするかに移りました。
NHK杯戦の囲碁、苑田勇一九段対王景怡女流会津杯
NHK杯戦の囲碁、本日は苑田勇一九段と王景怡(おうけいい)女流会津杯の対戦。苑田九段は西の宇宙流で有名、王女流会津杯は王立誠九段の娘さんです。今回が初出場。解説は元祖宇宙流の武宮正樹九段。対局は黒番苑田九段が両高目でスタートし、棋風通り模様を張って打ちます。白の王女流会津杯はそれに対し、模様に直接打ち込むことはせず、上方から消しに行きます。しかしその後の応接がまずく、その消しに行った白石が黒模様の中で取り残され、ここで黒有利な形勢になりました。その後の寄せで白は足らないとみて、頑張った受けをしたのですが、結局これが災いして、黒を分断に行った白の勝負手が不発に終わりました。黒の中押し勝ちでした。
井山裕太棋聖 7冠達成なるか
囲碁の十段戦は、本日が第三局。伊田篤史十段に井山裕太棋聖が挑戦し、ここまで井山棋聖の二勝。本日の第三局で勝てば、井山棋聖は前人未踏の七冠王です。
NHK杯戦の囲碁 倉橋正行九段対金沢真七段
NHK杯戦の囲碁、本日は倉橋正行九段と金沢真七段の対戦。この二人と、解説の高尾紳路九段とも、故藤沢秀行名誉棋聖門下、同門対決です。金沢七段は、あのアマ強豪の金沢盛栄さんの息子さんです。対局は黒の倉橋九段が下辺に大模様を張ったのを、白の金沢七段が手をつけていきます。ところが白は途中で手を抜いて止めて上辺を広げました。この時点では黒が優勢でしたが、黒は白に色々と利き筋を見られる打ちにくい碁になりました。局面は進んで今度は黒が上辺に打ち込んでいきましたが、その折衝の中で左上隅を生きにいったのが問題で中央を薄くしてしまいました。結局、白が中央の黒を取り、ここで白が優勢になりました。寄せでは大きな波乱はなく、終わってみれば盤面持碁の白の六目半勝ちでした。金沢七段はNHK杯戦初勝利です。