スタートレックのファーストシーズンの”The Squire of Gothos”

スタートレックのファーストシーズンの”The Squire of Gothos”を観ました。エンタープライズ号が宇宙の砂漠ともいうべき何もない星系を航行していた時、突然惑星が姿を現します。その時、エンタープライズ号を操縦していたスールーが突然消え、それを確かめようと近付いたカークも消えてしまいます。スポック達は、生物の生存にはまったく適していないその星をスキャンして、一箇所だけ生物が生存出来そうなエリアを発見し、そこにドクターマッコイを含む4人を転送して、カークとスールーを探させます。一行が転送されたのは欧州のナポレオン時代の屋敷の中でした。カークとスールーはそこに連れ込まれていました。そこにいたのはナポレオン時代の騎士の格好をしたトレレーンと名乗る正体不明の男でした。スポックが一行の居場所を突き止め、一度は全員をエンタープライズ号にも転送して戻します。しかしトレレーンがエンタープライズ号の中に現れ、クルー一行を元の惑星の屋敷の中に連れて行きます。カーク達は、その男が操る不思議な力が何かの機械によって行われると思い、その男をわざと怒らせて決闘に持ち込みます。カークは渡されたピストルで男ではなく、鏡を撃ちそれを破壊します。そうすると屋敷が消え、カーク達は無事転送でエンタープライズ号に戻ることが出来ました。しかし、エンタープライズ号が全速でその惑星から離れようとすると、何とその惑星自体がエンタープライズ号を追ってきます。結局カークが単身でまたトレレーンの屋敷に戻りましたが、そこは法廷でカークは死刑を宣告され絞首刑にされそうになります。しかし、カークは別のゲームをもちかけ、トレレーンが森の中を逃げるカークを追うといことになります。カークは何とかトレレーンの刀を折りますが、簡単にそれは再生されてしまいます。あわやという所で空から2つの声が聞え、それはトレレーンの両親でした。その星は彼らがある意味トレレーンのおもちゃとして与えたものでしたが、あまりに悪戯が過ぎるということで、トレレーンは連れ戻され、カークは無事エンタープライズ号に戻って出発します。うーん、ちょっと説明不足でイマイチのお話でした。

「巨人の惑星」の”Terror-Go-Round”

「巨人の惑星」の”Terror-Go-Round”を観ました。今回もまた、メンバーの誰かが巨人に捕まって、それを残ったものが助けるというパターンのお話です。ただ、今回はキャプテン以外の全員が捕まってしまうというのと、捕まったのがサーカスの一団だという所がちょっと違います。それでサーカスの少年が、最初に地球人2人を捕まえたのはこの少年ですが、途中から気が変わって、地球人に味方しようとします。それで最終的にサーカスのトラックの荷台から逃げ出す手段が変っていて、サーカスの備品としてあった風船に都合良く置いてあったヘリウムガスを詰め、即席の気球を作って逃げ出すというのが今回の目玉です。ただ、ストーリーとしてはきわめて陳腐と言わざるを得ないものです。

スタートレックのファーストシーズンの”The Galileo Seven”

スタートレックのファーストシーズンの”The Galileo Seven”を観ました。
(1)今回からカークのヨウマン(秘書みたいなの)が別の女優に変りました。
(2)「巨人の惑星」に出ている唯一のアフリカ系アメリカ人の俳優(ドン・マーシャル)が出ていました。
エンタープライズ号がある星への救援医療物資を運んでいる時にムラサキ312というクエーサーを発見し、カークはガリレオというシャトルにスポック、マッコイ他を乗り込ませて探査に向かわせます。しかし途中でイオンの嵐に襲われ、ガリレオは惑星に不時着し、通信も出来なくなります。その星には巨大な類人猿みたいなのがいて、2人のクルーが犠牲になります。ガリレオの燃料は無くなっていましたが、エンジニアのスコットが、フェーザーのエネルギーを使うことを考えつきます。エンタープライズ号はガリレオの行方を必死に探していましたが、医療物資の運送のため出発せざるを得なくなります。ガリレオはフェーザーのエネルギーで飛び立ち何とか衛星軌道に乗りました。しかし1回周回する分しか保ちません。そんな中突然スポックがなけなしの燃料を噴射して、飛行浮雲のように航跡を目立たせます。それはスポックには珍しい半分自棄な行動でしたが、カークがわざとゆっくりとエンタープライズ号を発進させていたおかげで、ガリレオは発見され、5人の生存者は無事転送される、という話です。今回の話ではスポックが命令を下す立場だったのですが、そのロジカルな命令振りが他のクルーの感情的な反発を何度も招く、という話でした。

巨人の惑星の”Brainwash”

巨人の惑星の”Brainwash”を観ました。キャプテン達が警官に追われて逃げ込んだ下水管の奥に、何故か最新鋭のコンピューターと通信装置がありました。それは以前やはりこの星に遭難したエンジニア達が地球と通信しようとして作ったものでした。警官達はこの装置がどこかにあることを知っており、キャプテン達を捕まえてその場所を聞きだそうとします。それで結局キャプテンが捕まりますが、その時に使われたのが、変なマッドサイエンティストが作ったフォーム状の自白剤でした。しかしそのフォームを囚人で試したら、確かに何でも喋りましたが、5分ぐらいでその囚人は死んでしまいました。キャプテンはそのフォームをかけられますが、マークが助けに来て、「今、地下でこのビルを吹っ飛ばす爆弾を仕掛けている」という嘘を言わせることに成功します。警官達がそれをチェックしている間に二人は逃げ出します。しかし、森の中で今度はフィッチューが捕まってフォームをかけられ、コンピューターと通信装置の場所を喋って場所の案内までしてしまいます。マークはその通信装置を修理して、後少しで地球に救援を依頼出来る所でしたが、キャプテンは自爆装置を作動させます。最後はコンピューターと通信装置が爆発して警官とマッドサイエンティストが亡くなり、地球人達は助かるという話です。しかし、自白剤って普通ガスかあるいは注射液じゃないのという疑問がありますが、小人にかけるためわざわざフォームという想定にしたのかと思います。

スタートレックのファーストシーズンの”Balance of Terror”

スタートレックのファーストシーズンの”Balance of Terror”を観ました。シリーズで初めての本格的なエイリアンとの戦いで、ロミュラン星人が登場します。ロミュラン星人と地球連邦とは100年ほど前にお互いの顔も知らないままで戦い停戦し、現在は非武装地帯が2つの境界を構成しています。ある日、その非武装地帯沿いにあった地球の基地が攻撃を受けます。それはロミュラン星人で宇宙船の姿を消す技術を持っており、また武器は地球の武器を上回る巨大なプラズマ球でバリアも役立ちません。カークは戦うことを決意し、相手が彗星の尻尾に入った時に姿を捉えられることを利用してフェーザーで攻撃します。(光子魚雷はファーストシーズンではまだ登場していません。)相手も巨大プラズマ球で攻撃して来ますが、一定距離逃げられれば威力が急激に落ちることが分り、何とか持ちこたえます。最後はほとんど潜水艦戦のような、お互いにエンジンを切って無音にして、相手が動くのを待つ、ということになります。(宇宙空間なんだから音が伝わる筈は無いのですが…)結局、スポックが間違えてブザーを鳴らしたのを逆に罠にして相手を誘い出し、フェーザーで撃って相手を動けなくしました。それでロミュラン星人なのですが、司令官がヴァルカン星人そっくり(レオナード・ニモイの一人二役)です。そのために、スポックはロミュラン星人のスパイではないかと皆に疑われますが、最後、フェーザーの発射室で火災が発生し煙りでクルーが倒れたのを、スポックが乗り込んでフェーザーを発射します。このエピソードの最初で、クルー同士が結婚式を挙げようとしていましたが、ロミュラン星人の攻撃で式は中止になり、しかも新郎が戦死してしまうというハードな展開でした。

P・B・シェムランの「博士と狂人」

P・B・シェムランの「博士と狂人」の映画を観てきました。原作を読んだのはもう20年近く前です。
OEDの編集者のジェームズ・マレー博士は、私にとってもっとも尊敬すべき学者の一人であり、以前日本語変換の辞書作りに関わっていて、また色々な外国語に手を出している私にとってある意味アイドルみたいな方です。
博士が大英博物館に採用を希望して送った手紙の一部が映画では博士自身の口で語られていました。そのオリジナルを原作から引用すると、博士が学んで来た言語は「アーリア語族およびシリア・アラビア語族の言語と文学に通じ、(中略)ロマンス諸語のうち、イタリア語、フランス語、カタロニア 語、スペイン語、ラテン語には詳しく、そこまではいかないものの、ポルトガル語やヴォー州方言、プロヴァンス語、その他さまざまな方言の知識もあります。 (中略、以下身につけた言語)オランダ語、ドイツ語、フランス語、フラマン語、デンマーク語、古英語、モエシアゴート語、ケルト語、ロシア語、ペルシア 語、サンスクリット、ヘブライ語、シリア語、アラビア語、コプト語、フェニキア語…」という恐るべきものでした。これだけの言語を大学にも行かず独力で学んだということについて、敬意以外の感情は湧いて来ません。
お話はマレー博士がOEDの編集を行っていた時、各単語の用例の収集が元のチームだけではまったく手が足りなかったため、外部にボランティアを募集します。その中の一人がアメリカの南北戦争の時の従軍外科医だったマイナー博士であり、博士は統合失調症であって被害妄想から殺人を犯します。裁判では心神喪失ということで無罪になりますが、一生を精神障害者用の収容施設で過ごすことになります。その時に、たまたま差し入れられた本の中に入っていたマレー博士のボランティア募集のチラシを見て、マイナー博士は、17~18世紀の英語文献を読んで膨大な数の単語用例カードを作り、マレー博士に郵送します。原作はマイナー博士の貢献に対して御礼のために、マイナー博士の手紙に書いてあった住所を訪ねてみると…という感じでマレー博士がマイナー博士の境遇を知る所がある意味クライマックスになっています。しかし映画はマイナー博士が誤って殺した男性の未亡人と交流するようになり、ついには恋愛関係に陥るといったストーリーが追加されています。まあ映画だからこういうサブストーリーを入れないと、というのは分りますが、私にはちょっと余計でした。もっと辞書作りの苦労をしっかり描いて欲しかったです。
それから、OED(当時はNED=New English Dictironary)の編集に協力したのが精神を病んでいて犯罪歴を持った男というのが新聞に載ってしまい、騒ぎになります。それを何とかするために、マレー博士達が利用するのが何とウィンストン・チャーチルで、マレー博士とチャーチルの生きた時代がかぶっていたのを改めて認識しました。
アメリカ人好みのすべてハッピーエンドではなく、万人向けとは言い難い渋い映画ですが、私には非常に意義のある映画でした。

巨人の惑星の”Ghost Town”

巨人の惑星の”Ghost Town”を観ました。ある時巨人に追われていたバリー(少年)達ですが、バリーが何かの電磁波のようなものに触れて気絶してしまいます。同様に追いかけて来た巨人もその電磁波に触れて死んでしまいます。一行は一度宇宙船に戻って助けを請うて、バリーが気絶していた場所に戻って来ましたが、彼はいません。そうこうする内にフィッチューも感電してしまいます。そこで一行があたりを探していると、何と地球の街に出会います。しかし建物は間違いなく地球のものでしたが、誰もいないゴーストタウンでした。フィッチューが電話ボックスで助けを求めていると巨人の少女が現れます。この街は、ある老人が、ある時地球の船がクラッシュして中の者は全員死亡してしまったのを、そこにあった書物を見て、地球の街そっくりに作った模型でした。そしてこの老人の孫の少女が信じられないほど性格が悪く、トンネルを掘って逃げようとしていたバリーを足でトンネルをつぶして生き埋めにします。また老人が差し入れてくれたシチューを皆で食べようとしていたら、天井から砂を撒いて食べられなくします。またガソリンを撒いてマッチで火を付け、地球人達を焼き殺そうとします。しかし、老人は自分が長い時間かけて作った模型に火を付けた孫娘を厳しく叱ります。地球人達はこれを逆用し、自ら建物に火を付け、孫娘が消火しようとしている間に、ゴーストタウンの回りのフォースフィールドを操作するコントローラーをショートさせて、脱出しようとして、孫娘が上から石を落としたり、建物を壊して押しつぶそうとしたりしたのを何とか回避して脱出するという話です。孫娘は祖父に「また火を付けたな!」ということで、お尻を叩かれて…という結末。

スタートレックのファーストシーズンの”The Conscience of The King”

スタートレックのファーストシーズンの”The Conscience of The King”を観ました。シェイクスピア劇にからめたなかなか重厚なストーリーの回。というかこの「罪を犯した父親がいて、父親はその娘を罪から遠ざけて無垢に育てたのに、いつか娘が父親の罪を知って、それを消し去ろうとして罪を犯す」って、確かイタリアオペラの何かの話にあったように思います。あるいはシェイクスピア劇?
10年前にある星で、何かのカビが大量発生して深刻な食糧不足が生じ、そこの長官が救援が来る前に8000人いた住民の内、自分の判断で4000人を殺すという事件がありました。その長官は死んだと思われていましたが、その顔を知っている男(カークの友人)が、ある劇団の俳優がその長官だと言います。その長官の顔を知っている人間はカークも含めて7人いますが、その劇団が近くにいる時に限って一人また一人と殺されていきます。エンタープライズ号にもカーク以外にライリーという者がいて、飲み物の中に毒を入れられて殺されかけます。カークはその俳優を詰問して、その長官だろうと問い詰めますが、実は目撃者を殺していたのはやはり俳優であったその娘でした。最後はレオンカヴァルロの「道化師」のように、舞台の演技と現実が交錯し、娘が間違って父親をフェーザーで撃ってしまって殺してしまうという結末です。

「巨人の惑星」の”On A Clear Night You Can See Earth”

「巨人の惑星」の”On A Clear Night You Can See Earth”を観ました。何というか、程度の低いマッドサイエンティストもので、発明したのは単なる暗視鏡(ノクトビジョン)です。しかしそれは品質が安定しておらず、すぐに動かなくなります。キャプテン達がこのマッドサイエンティストの家に忍び込んだのは、例によって太陽電池に使うレンズを盗むためです。一応電源を切断して暗闇して忍び込んだのですが、マッドサイエンティストの暗視鏡のおかげで見つかってしまいます。色々あって一行は逃げ出せたのですが、キャプテンはその発明が危険だからという理由で、マッドサイエンティストの家を爆破しようとします。しかし途中で捕まって、仲間が助ける時間を稼ぐため、キャプテンはその暗視鏡で地球が見えたと言います。(単なるブラフかと思ったら、最後の所で本当に見えた、と言っています。)それでマッドサイエンティストをおだてて、この暗視鏡は単なるノクトビジョンよりも高機能なものだ、但し安定していないので改良が必要だ、などといって、等々というストーリー。はっきり言ってナンセンスな脚本で、そんな悪人とも思えないマッドサイエンティストを家毎爆破して殺してしまうのも後味が悪いです。失敗したエピドードです。

スタートレックのファーストシーズンの”The Menagerie, Part 2″

スタートレックのファーストシーズンの”The Menagerie, Part 2″を観ました。Part 1と合わせて、今まで観たエピソードの中ではベストではないかと思われる、非常に良く出来たストーリーでした。スポックが反乱の容疑で有罪宣告を受けますが、それを宣告した基地の長官も、タロス星系の第4惑星人が作った…だったというのはなかなかの捻りでした。また今回出て来る女性がなかなか可愛かったです。Vina(まあ本当の姿は置いておいて)とエンタープライズ号の女性クルー2人の内若い方は良かったです。最後に、Vinaとパイク元船長が、タロス星人の幻想の中で二人幸せに暮すというハッピーエンド(?)で良かったです。しかし、カーク船長というのは何代目の船長なんでしょうか。パイク船長もなかなかのキャラクターで良かったです。スタートレックはアーウィン・アレンのTVドラマと比べると、本当に脚本がしっかりしています。