辻惟雄(つじ・のぶお)の「奇想の系譜 又兵衛-国芳」を再読しました。1969年に最初の版が出ています。取り上げている絵師は、岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、長沢蘆雪、歌川国芳です。Eigoxのレッスンでずっと日本の絵師を紹介するシリーズをやっていて、その中で岩佐又兵衛を取り上げましたが、「何故又兵衛が浮世絵の元祖と言われるのか」という相手の問いに十分答えることができなかったため、再確認のため再読したものです。この本を最初に読んだのはいつか忘れましたが、多分20年近く前だと思います。この本が最初に出た時には国芳以外は、ほとんど無視されていた絵師だと思いますが、いずれも今は有名であり、伊藤若冲に至っては大ブームとでも言うべき状況になっています。そういう意味で辻さんの先見性は素晴らしいと思います。個人的な趣味から言っても、この6人の絵師の内、狩野山雪はそうでもありませんが、後の5人は好きな絵師です。でもその辻さんにおいてすら、又兵衛の絵をその弟子の絵だと間違って鑑定していたりする訳で、奥が深い世界です。
辻惟雄(つじ・のぶお)の「奇想の系譜 又兵衛-国芳」
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