宇宙家族ロビンソンの”Welcome Stranger”を観ました。ロビンソン一家がどこかに出かけて謎に遭遇するというより、向こうから色々なものがやってくるというこのシリーズの特長の最初の回です。それでロビンソン一家が漂着した星にいきなりやってきたのは、何と地球人のロケットで、1982年に土星を目指して打ち上げられたものです。色々な意味で矛盾があって、ジュピター2号は少なくとも地球から普通に行ける範囲の星ではなく、ワープというか亜空間飛行というかそういうもので、地球とはかけ離れた遠い星にたどり着いた筈で、それがそのような飛行の技術がない1982年打ち上げのロケットがどうやったらやってこれるのか。大体土星に行くのが失敗した後に小さなロケットで燃料や食料をどうやって補給したのか。酸素はどうしたのか。それに何より謎なのは、フライデーのナビゲーション装置をそのロケットに渡しますが、それによって地球に帰れるということになっていること。だとしたら、ジュピター2号も地球に帰れる筈です。このアルファ・ケンタウリ星移住プロジェクトは最初の所で既に失敗している訳ですから、私なら一旦地球に引き返します。またロビンソン夫妻はこのロケットにペニーとウィルを乗せて地球に連れて帰ってくれ、と頼みますが、ジュピター2号でさえドクター・スミスの体重で大きく進路を狂わせてしまったのに、子供とはいえ定員外が2人も乗ってどうやってまともに飛べるのか。という具合で突っ込みどころは満点ですが、やって来た宇宙飛行士のハップグッドの性格が明るくてほとんどカウボーイみたいなので、まあまあ楽しめる回ではあります。それからジュピター2号にやって来た何かに自分だけ地球に戻れるように頼むドクター・スミスというのもこの回からです。
月別アーカイブ: 2019年7月
宇宙家族ロビンソンの”The Hungry Sea”
宇宙家族ロビンソンの”The Hungry Sea”を観ました。
脚本家の中に、”William Welch”の名が…この回は最初に作られたパイロット版(ドクター・スミスは登場しない)がかなりの部分転用されているようです。そういった既にあるフィルムに適当なストーリーを付けるのはWelchの得意技、ということで起用されているようです。
古代遺跡みたいなのは結局何だったのかの解明もなく、一家はそこを抜け出して南へ進みます。途中凍り付いた海にたどり着きますが、気温が-80℃くらいということで凍り付いており、チャリオットが乗っても大丈夫だろうということで、その上を渡ることを決めます。一方ジュピター2号に残ったドクター・スミスは段々下がる気温に震えていましたが、ある瞬間から気温が逆に上がりだしたことに気付きます。ロボットがチェックしたこの星の軌道は長い楕円で太陽に近づくと100℃を超え、遠ざかると-80℃になるということが判明します。ここで何故かドクター・スミスはロビンソン一家を救おうとし、最初は無線で連絡しますが、電波干渉でうまく行かず、結局ロボットを一家の乗っているチャリオットに向けて出発させます。ロボットはチャリオットに到着しますが、ドンがドクター・スミスのやることは信用出来ないとしてロボットをレーザーで撃ち停止させます。しかしロボットの中のデータを解析してこの星の軌道の異常さ(しかしどう考えても自転と公転軌道がごちゃごちゃにされているように思いますが)に気がつき、もうすぐ灼熱に襲われることを予想し、シールドの設置を一家に命じます。何とか灼熱の熱さは耐えた一家でしたが、ジュピター2号に戻るのに今度は氷がすっかり溶けた海を渡らないといけません。(チャリオットは水陸両用です。)渡っている途中で渦巻きに巻き込まれ、更にチャリオットの電源が0になります。ドンが太陽電池の接続を修理に天井部に昇りますが、海の中に落ちてしまい…といった感じで危機が続きます。やっと何とかジュピター2号にたどり着いた一家は、どこかに無線で連絡出来ないかを試します。それは無駄でしたが、しかし偶然ドクター・スミスが捉えたレーダーには、ミサイルのようなものがジュピター2号目がけて進んで来ています…という所でまた来週。
NHK杯戦囲碁 小池芳弘4段 対 鶴山淳志7段
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が小池芳弘4段、白番が鶴山淳志7段の対戦です。小池4段は21歳で昨年19連勝という記録を作り、NHK杯戦に初出場です。先日プロ棋士でのAI風の手の流行を紹介しましたが、この碁でもダイレクト三々が2隅で出て来ました。そのせいもあってこの碁は右半分は打ち切ってしまった感じで左下隅~左辺~左上隅~上辺が戦いの場になりました。中でもポイントとなったのは左下隅の白で、黒に包囲され、単に活きるのは難しくありませんでしたが、逆襲気味に強く打ったのが奏功し、特に黒の一間トビに割り込んで当てに継がずに当て返して、更にじっと延びるかと思ったら抜かれた所に当てたのが強手で、結果的に成功しました。黒から切って劫にする手がありましたが、黒は劫材が少ないため決行出来ず、白の言い分が通りました。その途中で黒は上辺で白を切っている石を引っ張り出しましたが、中央の折衝で白が厚くなった結果、この動き出した石は最終的には取られた形になりました。それでも左上隅は劫にはなりましたが、2手ダメを詰めて更に2段劫であり、話が遠かったです。結局上辺の切った石だけでなく左上隅の黒も取られてしまい、ここだけで60目以上の白地になりました。黒は劫の代償で右下隅を地にしましたが足らず、白の中押し勝ちになりました。
AEONのDiscussionコース、2年修了、ついでにAEONのProsとCons
本日のレッスンで、AEONのDiscussionコースの2年目を修了しました。これにてAEONについては終わりで継続しません。今後は、今やっているIELTSのスピーキング特訓コース全50回(週2回、これまで13回済み)が終わったら、Eigoxのレッスンを毎日予約出来るものに変えます。
一応最後なのでAEONのProsとConsを。
Pros
1.最初ベルリッツを検討したけど、ベルリッツが生徒2人のコースで年間20数万円なのに比べると、AEONは2年目で143,000円くらい(1年目は継続割引が無いのでもう少し高い)でまあリーズナブルです。一クラスの平均の出席者は4人くらい。(最大で8人、最小で2人)
2.スタッフと先生の雰囲気がフレンドリーな感じで良い。そのせいなのか、「10年続けています」という人が数人クラスにいました。
3.Discussionコースの教材は、AEONの先生が書いているオリジナル教材ですが、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダと色んな国の先生が執筆していて、色んな語彙を覚えるのに良く、また話題もなかなかバラエティーに富んでいました。
4.オプションのライティングコースが、全20回で3万円くらいと、これもリーズナブルでした。
5.火曜日と土曜日の2回のレッスンがあり、土曜日が出られない時は火曜日に振り替えることが出来、欠席しないで済みました。
Cons
1.Prosでベルリッツより安いと書きましたけど、オンライン英語に比べるとはるかに高いです。AEONに払う月額でEigoxでネイティブの25分レッスンを毎日受けることが出来ます。誰がどう考えたって、一週間に1回の50分のレッスンより、毎日25分のマンツーマンレッスンの方が英会話力の向上には効果的です。
2.先生が選べない。また先生は3人経験しましたけど、若い人が多く、英語を教える技術という点ではちょっと疑問を感じる人もいました。
3.ライティングでの添削内容が、例えば今やっているIELTSのライティングの添削に比べるとレベルが低かったです。しかも、「フォーマルな文章では1人称は使わない」などのカビの生えたルールを言う先生が2人もいて、また”spend much money”ではなく、”spend a lot of money”に添削する理由が「だってmoneyはcountableだからmuchは使えない」とある先生から言われたのには本当にあきれました。(moneyは言うまでもなくuncountableです。正しい理由は、平叙文では”much money”とは言わない。疑問文や否定文ならOK、です。文法的な問題ではなく、ただ英語ではそういう慣習だというだけです。)また、essayにおけるロジカルな文の構成についての指導もまったくありませんでした。
4.上級コースと言いつつ、レベルの低い生徒が混じっていて、こちらがディスカッションで何か言ってもまったく反論出来ないで終わり、というのが何回かありました。
(実際私より英語がうまいという人は2年間で2人くらい、同等レベルが数人、後はレベル的に落ちる人が多かったです。)
5.ディスカッションコースと言いつつ、実際生徒に勝手に議論させるだけで、議論の仕方についての指導はほとんどなかったです。英語の勉強にはなるでしょうが、いわゆるディベート技術の訓練にはあまりなりません。
結論としては、中級者までの人ならAEONはそれなりにいい英語学校だと思いますが、上級者にお勧めかと言うと、ちょっとコスパ的に微妙です。
最近のプロ棋士の碁でのAI風の手の流行について
プロ棋士による「AI風」の手の流行について。
ずっとNHK杯戦の囲碁を見ていますが、最近のプロ棋士の間での、AI風の手の流行ってかなりのものがあります。そういう手が一手もない対局はもうほとんど無い、と言っていいと思います。それらの代表が、5つほど画像でアップしたようなものです。(いずれも局面によっては今までもあったものですが。)これらの手に共通して言えることは、「相手の応手が極めて限定されており予測しやすい」ということだと思います。最近のAIの碁のアルゴリズムの特長は、モンテカルロ法+ディープラーニングだと言われています。この内、モンテカルロ法は、「全ての手を最後まで読み、それにより優劣を判断する手法」と言われます。しかしこの説明は半分間違いで、いくらコンピューターが進化したといっても、19X19の着手点がある囲碁において、着手可能な手の組み合わせを限られた時間ですべて網羅してシミュレートすることは不可能です。なので何らかのアルゴリズムを使い、候補手を絞り込んだ(枝刈りを行った)上での限定モンテカルロ法です。この場合、AI囲碁にとっては、相手がどう応じるか分からないような手であると、それだけ読む量が増えてしまい、結果的にはそれぞれの候補手を十分計算出来なくなります。従ってAI囲碁にとっては、ともかく相手の次の応手がはっきりして限定されている手の評価が必然的に高くなります。それがここに挙げたような5パターンの手であり、いずれも相手の応手はかなり限定されます。例えば肩付きであれば、手抜きを除けば相手の着手は這うか押すかのどちらかです。このことはAI囲碁の候補手の刈り込みにとって大きなメリットがあります。
しかし問題なのはある局面において、そういうAI囲碁にとって都合の良い手が、その局面における最善手とは限らない、ということです。一番最後の画像は、有名な棋聖秀策の「耳赤の一手」(黒27の手)というもので、古来より3つの目的を持って打たれた名手と言われています。しかし、おそらくAI囲碁から見れば、こうしたぼんやりした手は相手の応手が極めて幅広いため、必然的に候補からは排除されてしまうのではないでしょうか。(もちろん時間制限が緩ければ、こうした手を読むことは可能でしょうが、通常はほぼ無いと思います。)故安永一氏は、この一手に対し「つくづく碁は単に計算だけの問題でない気がする。」とコメントされていますが、まさに同感で、AIではない人間が打つ碁はこうあって欲しいと思います。
AIが登場以後、プロの碁である局面の形を決めてしまわず、後の展開によって打ち方を決めるために残しておく、という味わい深い打ち方が減ったように思います。これはある意味では退化だと思います。まあAI囲碁に関してはそのあまりの短時間での進化でショックが大きかったのは分かりますが、もうそろそろ醒めた見方をする棋士が増えて欲しいように思います。故藤沢秀行名誉棋聖は、神様から見たら人間の碁は100の内の2か3ぐらいだと言いました。AI囲碁についてはそれを4か5ぐらいにし、人間を凌ぐようになりましたが、決して神のレベルになったのでは無いと思います。
柳宗悦の「朝鮮の友に贈る書」
日本と韓国と、両方の国の低レベルの政治家達により、日韓関係がかつてない程悪化していることに憂慮します。
今こそ皆に柳宗悦の「朝鮮の友に与える書」を読んで欲しいです。この書は三一運動に対する弾圧で多くの朝鮮人が殺されたことに憤った柳宗悦が新聞に発表した文書です。
(注:柳宗悦の著作権は2011年に失効しています。なおTPPへの参加により、著作権保護期間が作者の死後70年に延長されましたが、一度失効した保護が再度復活することはありません。)
宇宙家族ロビンソンの”There Were Giants in the Earth”
宇宙家族ロビンソンの”There Were Giants in the Earth”を観ました。ロボットに殺されそうになったウィルですが、ドクター・スミスの声真似をしてチェスの対戦をさせ、何とか助かります。ドクター・スミスが地球から持ってきた種子をこの惑星の土に撒いた所、一夜で巨大な豆が実り、しかもそれは植物ど動物の両方の特性を持っていました。しかしその内に惑星の土の利用の仕方が分かり、ロビンソン一家は食料には不自由しなくなります。しかしその野菜類が一夜で枯れるようになり、気象を観測した結果、ジュピター2号の着陸した地点がまもなく-150℃にまで気温が下がることが判明しました。そうした場合太陽電池が働かなくなり、ジュピター2号の暖房も何も働かなくなります。ロビンソン博士はチャリオット(装甲車)で南へ移動することを決意します。ドクター・スミスはしかしジュピター2号に残るといい置いて行かれます。チャリオットが移動中に、一つ目の巨人(明らかに、オデュッセイアに出てくるキュクロープス)が襲ってきます。レーザーガンで何とか巨人は撃退しましたが、今度は荒野で激しい雷に襲われ、洞窟に避難します。そこで一家が見たのは、何らかの城の跡でした。中を探検する一家でしたが、ウィルとペニーが壁が反転した向こう側にある部屋に閉じ込められます。ドン達が救助に来ましたが、ドン達も中に閉じ込められた所で、激しい地震が起こり、また来週。
「名犬ラッシー」の元は「名犬ラッド」?
アルバート・ペイスン・ターヒューンの紹介をしましたが、良く考えると「名犬ラッシー」の元は「名犬ラッド」なんじゃないでしょうか?ladは少年、lassieは少女の意味で、ラッドが雄のコリー犬、ラッシーが雌のコリー犬です。
「名犬ラッシー」の最初の話は映画の「家路」で事情があって別の飼い主に売られたラッシーが遠く離れた長い旅をして元の飼い主の所にたどり着くという話ですが、「名犬ラッド」に同じような話があるみたいです。
犬に襲われたら…
この記事は、大日本雄弁会講談社の「少年倶楽部」(昭和一桁生まれの人には涙が出るほど懐かしい子供向け雑誌)の昭和8年1月号にあった「犬に襲われたら」の記事。昔、J社で仕事をしていた時、監修の仕事でお付き合いのあった作家・評論家の紀田順一郎さんが、HP(今は無い)でこの記事を紹介していて、昔の子供雑誌の記事は役に立ったと書いていました。何かと言うと、紀田さんが終戦後に野犬に襲われたことがあり、この記事を思い出してこの両肘を外に突っ張るポーズをやったら、効果覿面で野犬が逃げていった、と書かれていました。そこまでは紀田さんの思い出で、その時のHPで紀田さんは末尾にある「アルバート・テルーン」って誰なんだろう、と疑問を呈されていました。そこで私が登場するのですが、インターネット検索を駆使して、結局この「アルバート・テルーン」というのは、アルバート・ターヒューンであることを突き止めました。アルバート・ターヒューンは、大の犬好きの作家で、「名犬ラッド」という、名犬ものの走りのような作品を書いています。「名犬ラッド」は岩波少年文庫で出ていました。現在でも古書で入手可能です。アルバート・ペイスン・ターヒューン(Albert Payson Terhune)であり、Terhuneをテルーンと読んだのは分からなくもないです。(今考えて見ると、「名犬ラッシー」はこの「名犬ラッド」がベースになっているんじゃないでしょうか。ladは少年、lassieは少女の意味です。ラッドが雄のコリー犬、ラッシーが雌のコリー犬の話です。)
ところで、このポーズが犬に効果あるのは、おそらくゴリラか何かを思い出させるのかな、と思います。犬猿の仲、という言葉があるように、犬と猿はお互いに中が悪く敬遠しているんじゃないかと思います。
リンク:「中世合名会社史」と大塚久雄
日本マックス・ヴェーバー研究ポータルを本格的にスタートしたので、ヴェーバー関係の記事はそちらをメインとし、「知鳥楽」にはリンクのみを載せていきます。
「中世合名会社史」と大塚久雄