古関裕而全集(CD6枚+DVD1枚)

2009年の古関裕而生誕100周年の時の記念に出た、古関裕而全集7枚組(CD6枚+DVD1枚)を買いました。これまで既に古関裕而のCDは色々買っていてかなりダブるのですが、それでも買って良かったです。丁度今NHKの「エール」で「船頭可愛や」の話をやっていますが、この全集には、「船頭可愛や」が3種類も入っていて、一つは最初に出た音丸のもの、次が三浦環が音丸の歌うのを聴いて曲が気に入り、自分も歌いたいといって実現した録音、そして最後が何と都はるみのです。三浦環のはベルカント唱法というかコロラトゥーラというか、高音部はほとんど西洋音楽的な発声で歌っています。そして都はるみのは信じられない位上手いです。これが聴けただけでもこの全集を買って良かったです。なお「全集」となっていますが、全139曲で、5000曲以上あると言われている古関作品の3%にもなりません。白井喬二の作品集めでも思いましたが、日本はこういう大衆的な芸能をきちんと保存する仕組みが整っていません。この全集に一部入っていますが、古関裕而作曲のミュージカルや舞台音楽をきちんと全部聴いてみたいものです。それからこの全集の監修は古関裕而の息子さんの古関正裕さんですが、いわゆる軍事歌謡・軍歌はきわめて抑制していて、「英国東洋艦隊潰滅」や「比島決戦の歌」などは収録されていません。そちらによりご興味があれば「古関裕而 戦時下日本の歌~愛国の花~」を買われた方がいいと思います。部分的に収録されている舞台音楽を聴くと、古関裕而の音楽は東欧とかロシアの音楽に近い感じがします。なお、DVDはNHKのビッグショーでの「古関裕而特集」の抜粋(40分番組の内18分くらい)です。今YouTubeで全40分が見られますし、また抜粋がNHKからCDとしても出ているので、これ自体はそれほど有り難みは無かったです。