「次亜塩素酸水」についての本を読んで思ったんですが、実はアルコール以外の家庭での消毒剤ではキッチンハイターが最強ではないかと思うようになりました。ポイントはキッチンハイターには次亜塩素酸ナトリウム以外に界面活性剤が入っていることです。
(1)消毒しようとする対象に汚れがある場合は、次亜塩素酸の酸化による殺菌力がその汚れを分解するのに使われ、殺菌力が低下する。
(2)消毒しようとする対象物が油を含んでいる場合などで濡れ性が悪い場合、水をはじくので、次亜塩素酸ナトリウム中の次亜塩素酸が十分対象物に触れず殺菌力が低下する。
界面活性剤の添加は上記の(1)と(2)を同時に解決します。ただ、界面活性剤で汚れが分解したり、また表面張力が小さくなって濡れ性が向上し、対象物が十分濡れるまで、若干の時間が必要です。キッチンハイターで布巾等を消毒する際に3分ぐらい漬けっぱなしにしろ、と指示してあるのはそういうことなんでしょうね。なお、キッチンハイターの洗浄力は水3Lにキャップ1.2杯(30ml)くらいでも十分泡立ちますのでそれなりにあると思います。
ちなみに次亜塩素酸水ですが、次亜塩素酸がイオン(OCL-)ではなくそのもの(HCLO)の状態で多く含まれているので次亜塩素酸ナトリウム希釈液より殺菌効率は高い(次亜塩素酸塩のイオンは細菌の細胞膜への浸透性が弱いですが、次亜塩素酸塩そのものは強いということです)ですが、それを当てにして低い濃度のものを使った場合、同一の量で含まれている自由塩素原子の絶対量は当然少なくなります。なので汚れがある場合などは、貴重な塩素が汚れで不活化し、十分な殺菌効果を発揮出来ない可能性があります。
まあ注意点としては、もしかすると界面活性剤を入れることによるマイナス点もあるのかもしれませんがそこまでは調べ切れていません。また前に書いたように普通に店で売っているキッチンハイターが工場出荷時の濃度である6%を維持しているとは限りませんので、その点は気にしておく必要があります。要はあまり長く保管したものではなく、小さな容器のものを買って使い切るサイクルを上げた方がいいということです。また品物の回転の悪い店のものは買わない方が無難です。