NHK杯戦囲碁 鶴山淳志8段 対 広瀬優一6段(2022年5月15日放送)


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が鶴山淳志8段、白番が広瀬優一6段の対戦です。広瀬6段は対局前のコメントで、鶴山8段は戦いの碁が得意なので穏やかな碁にしたいと言っていましたが、実際の碁は最初から最後まで激しい戦いとなりました。タスキの布石でしたが、白が左下隅に高くかかってツケ引き定石となった時、白は定石通りに左辺に開かず、左上隅の星から上辺に向かって小ゲイマに締まったりしたので、むしろ広瀬6段が戦いを誘ったような打ち方でした。左辺と右辺でお互いに眼の無い石がもつれ合い、黒が下辺の白に中央の石からケイマにかけた時、白が出切っていったので更に局面は複雑化し、闇試合の様相を呈して来ました。こうなると戦いの得意な鶴山8段に一日の長があり、中央でかけて上手く白の種石を取って局面は黒のリードとなりました。しかし白も左辺の棒石の黒を攻めようとしましたが、ここでも逆に黒が中央の白を攻め、右辺に取り残された白を大きく飲み込んで勝勢になりました。白はその後色々やって右辺の一団を連れ戻しましたが、その代償にまた中央の種石を取られてしまいました。最後に白は右上隅で取られていた石を動き出し、劫形で渡って成功したかと思いましたが、黒は渡らせた全体を攻め結局全滅させて右上隅に50目強の黒地を確定させ、ここで白の投了となりました。