松本市の日本ラジオ博物館(3回目)

連休中の5月2日にまた松本市の日本ラジオ博物館に行って、訪問客は私一人だったので、館長の岡部さん(「ラジオの技術・産業の百年史」の作者、アキュフェーズ社員)に一時間半たっぷりお話を伺いました。
(1)テレビの初期の組立てキット。テレビの中は例えばブラウン管を駆動するフライバックトランスの電圧は3,000V以上になりますので、私はキットに手を出したいとは思いません…どちらかというと、NHKが中心になって標準的な受像機の仕様をまとめ、それを各メーカーのエンジニアが理解するためのキットだったようです。
(2)第2次世界大戦中のアメリカ軍の無線機2つ。歩兵用と、B-29などの爆撃機に積んであったもの。どこでこんなもの手に入れたのですかと聞いたら、何とヤフオクだそうです。特に爆撃機用は、1940年代に既にこのレベルのものを作っていたということで、日本との技術力の差は歴然としています。また爆撃機用は航空兵が操縦の片手間にいじるということで、操作も可能な限り簡素化していてUIのデザインもシンプルで機能的です。
また歩兵用の無線機の方はトグルのON-OFFスイッチが何と横方向の操作です。会社でトグルスイッチが使われた製品についてはかなり調べていますが、パネル用のON-OFFスイッチを横方向の操作にしたのは初めて見ました。この理由はこの無線機はリュックサックに入れて担ぐもののようで、リュックサックに入れる時に縦操作だと間違ってスイッチがONになったりするためかなと想像します。