白井喬二の「瑞穂太平記」(戦国篇)

jpeg000-59白井喬二の「瑞穂太平記」戦国篇読了。「桔梗大名」の明智光秀の物語が中途半端な所で終わってしまっていたので、この「瑞穂太平記」の戦国篇で続きが読めて良かったという感じです。それより興味深いのは、秀吉の天下統一までを長々書かないで、むしろ天下統一後の話がかなり詳しいことです。文禄・慶長の役は当然ですが、それより秀吉が原田孫七郎を台湾に派遣して、来降させようとしていたことや(これは最初、白井一流のほら話かと思っていましたが、歴史的事実でした)、呂宋助左衛門(納屋助左衛門)とのエピソードがかなり詳しく書かれています。まあ日本がアジア一帯に進出した時代に書かれたものですから、そういうバランスになったのかもしれません。最後は関ヶ原の戦いで、東軍が勝ちを収めるまでを描きます。
これで「瑞穂太平記」を全部読了しました。総じて、まあそれなりには面白いですが、白井作品としては他の素晴らしい作品に比べるとかなり落ちます。

三遊亭圓生の「鼠穴、三年目、鹿政談」

jpeg000-53本日の落語、三遊亭圓生の「鼠穴、三年目、鹿政談」です。
「鼠穴」はこの間圓生で聴いたばかりなのでパス。
「三年目」は、志ん朝、志ん生、圓楽と聴いてきてこれがもう四回目で、いい加減に飽きました。噺自体も、幽霊の髪の毛が伸びるというのが今一つで好きなれません。
「鹿政談」は奈良のお噺で、間違えて神聖な鹿を殺してしまった豆腐屋の老人を、名奉行が「これは鹿ではなくて犬じゃ」という見事なお裁きで救うものです。