EL34のプッシュプルアンプ(KT77に差し替え)のボリューム交換

ADVANCEのHC-5(EL34のプッシュプルだったのをKT77に差し替え)のボリュームを交換しました。理由は元々ついていたのが接触が不安定で、ボリュームの軸の角度を少し変えるよう押すと左右のバランスが変って不安定だったからです。写真の左が元々付いていたもので、ご覧の通りかなりの安物です。右が今回交換したアルプスアルパイン(旧名アルプス電気)のRKシリーズです。音質がいいかどうかは知りませんが、回した時の感触はこのアルプスのボリュームはとてもいいです。また左右の音量のバラツキも少ないようです。定格(最大抵抗値が100KΩ、Aカーブ→100KA)も同じでした。

ただ、この交換は非常に大変でした。
(1)取付け穴サイズが違う
アルプスの方がブッシング径が若干太く、元々のパネルの穴には入らないため、穴を拡げる必要がありました。また回転防止用の突起を挿入する穴も位置が違うため、これも新たに開けました。

(2)配線が大変
旧と新で端子の配置と数は同じでしたので、配線そのものは旧のものを新で再現しただけでしたが、この半田付けが非常に大変でした。実はこのアンプ、キットで組み立てた時非常に大変で、一応組んだものの動かず販売元に送って手直してもらいました。その大変な理由が今回の作業で分りました。このボリュームの一つの半田端子に何と4本もの線をつないでいます。(信号線のマイナスが2本、ラインアースが1本、左右チャンネルのアースをショートするジャンパー線)
私が勤めている会社でスイッチを作っていてそれには半田端子のものが多くありますが、半田端子は原則的に1本の線だけをつなぐものです。いくらなんでも半田端子1つに4本のラインはひどすぎます。結局左右のアースをショートするジャンパー線にラインを結んで何とか半田付けは出来ましたが、結局徹夜の作業になりました。

それからこのボリューム交換後、電源ON直後には右チャンネルからしか音が出ず、その後30分くらい音楽を流していると左チャンネルが少し鳴り出しますが、結局7:3ぐらいで右が強いという現象に悩まされました。ボリュームの半田付けがちゃんと付いていないのかと何度も確認しましたが、それは問題ありませんでした。結局ある程度の音量でずっと音楽流していたら、突然ポップノイズがして左右のバランスが正常になりました。真空管アンプはこういう不思議なことが良く起きます。高電圧小電流回路ならではの現象なのかもしれません。