村上もとかの今度は「JIN-仁-」を読みました。この漫画はこれが連載されていた頃はもう漫画とは離れていたので、これまで未読です。幕末というと、大衆小説家達がもっとも取上げた時代です。そして登場する坂本龍馬、勝海舟、西郷隆盛、徳川慶喜、近藤勇、沖田総司、高杉晋作という誰でも知っている人物との絡みで話を作っていくというのも、大衆小説の伝統に従ったものです。もっとも坂本龍馬が司馬遼太郎が描いたものほぼそのままのキャラクターなのがちょっと難点ですが。まあタイムスリップものというのは沢山ありますが、この漫画では最先端の脳外科医が幕末にタイムスリップするという設定がある意味奇抜です。そして、何とその時代の日本でペニシリンを作り出してしまう、というのがまあ荒唐無稽ですが、楽しめる話でした。医学の関わるシーンも専門家の監修を受けたきちんとしたものであり、さすがに村上もとかで、手抜きがまったく無いです。
村上もとかの「JIN-仁-」
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