ジョージ・オーウェルの「1984年」を今さらながらに読了。オンラインの英会話で今この本を読んでいるという話をしたら、驚くべきことにほぼ全ての先生が「昔読んだ」と言いました。英語圏では教科書にも載っていたようです。その位英語圏では有名な本です。しかもこの本が描写しているディストピア(ユートピアの反対)が、長らく共産主義国に対するステレオタイプなネガティブイメージとしてある意味悪用されました。良く読めば、共産主義国に限らずあらゆる体制の国で、このような監視社会の未来があり得た筈ですが。現実問題として、例えばシンガポールでは、国が建てたアパートに住む人は、一日何回トイレに行ったかを政府によってモニターされています。また中国では、例えば上海では、ありとあらゆる所に監視カメラが置かれており、交通違反をするとたちどころに逮捕されます。そういう意味で残念ながら架空の未来の話ではなく、既に一部が実現してしまっています。それから興味深かったのは、この世界では歴史が絶え間のない書き換えの対象となっており、本当の歴史は何だったのかという努力が100%抑圧されています。これもここまでひどくなくとも、フェイクニュースが氾濫する現在既に起きてしまっていることのように思います。ただあまりに過大評価されているようにも思いますが、英語圏の人と話す上では読んでおくに越したことはない本と思います。
ジョージ・オーウェルの「1984年」
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