アウター・リミッツの”The Moonstone”を観ました。月面探査隊の一行が、月面で奇妙な球体を発見します。それは継ぎ目も無い完璧な球で明らかな人工物でした。しかしレーザーでもそれに穴を開けることが出来ません。やがてその中からエイリアンが英語で話しかけて来ます。彼らは惑星アグリッパの優れた知能で、その星の暴君が彼らの知識を全銀河系征服のために使おうとしたのを察し、地球への亡命の旅に出て、途中でエネルギー不足で月に不時着したものでした。エイリアンの指示で装置を改良し、アグリッパの星から救援隊を呼び寄せようとします。しかし実際に来たのは暴君の部下で知性の高いエイリアンを捕まえにでした。地球人は抵抗を考えますが、科学力の圧倒的差からそれは死を意味するだけと考え、結局知性の高いエイリアンを引き渡すことを決定します。しかし知性の高いエイリアンは、まさにやって来た部隊に捕まろうとした瞬間自爆します。実は探検隊の隊長は、朝鮮戦争の時に自分の部隊を中共軍の攻撃から救うため、ある村の人々をゲリラに仕立て、そのためにその村全員が中共軍に殺されてしまったという過去を持っており、そのことを別の研究者になじられていました。しかしその研究者にも人生においてはそのような苦渋の決断をしなければならない時がある、ということを理解します。このエピソードが放送されたのは当然1969年のアポロ11号の月着陸の前で、当時月面がこのように思われていた、というのが確認出来るという意味で興味深いです。しかしよく考えると、アメリカの兵士を救うためにはアジア人を犠牲にしても仕方がない、とも主張しているのであり、かなり問題作です。そのせいかWikipediaの荒筋にはそのことが全く書いてありません。
アウター・リミッツの”The Moonstone”
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