本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が一力遼棋聖、白番が辻󠄀篤仁4段の対戦です。布石は白が左辺、黒が上辺と右辺の模様の張り合いみたいになりました。しかし白が右上隅方面で高く消しに行った所から、相手のノゾキに継がずに外すというのが連続し、戦いは上辺から中央に、更に左上隅と左辺にも拡大しました。形勢は白が上手く黒模様を消した一方で白が左辺を大きく地にし、更に中央も厚く白が優勢になりました。黒は中央を消しに深く侵入しましたが、この黒に眼がありませんでした。それで白を分断して攻め合いを目指すと思いきや、白をつながらせました。その結果中央の黒は単独で活きる必要がありました。これで黒が苦しいかと思いきや、黒は右側の白にワリコミ2発を決行し、これで中央の黒は右側の白を取って生還しました。白も振り替わりで黒3子を取り、下辺の黒地を大きく削減しましたが、全体の収支は黒の儲けが大きく、逆転で黒が勝勢になりました。ヨセでも黒が先に上辺に回りリードを拡げました。最後は盤面で黒が15目くらいよく、白の投了となりました。辻4段は中央右側のワリコミ2発をうっかりしていたようですが、一力棋聖を途中まで良く苦しめました。
NHK杯戦囲碁 一力遼棋聖 対 辻󠄀篤仁4段
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