塩野七生の「ローマ人の物語 パクス・ロマーナ」

塩野七生の「ローマ人の物語 パクス・ロマーナ」を読了しました。これで読み直しも含めて文庫本で全47巻を完全読了しました。この巻はオクタヴィアヌス→アウグストゥスについてなんですが、前半のアントニウスを倒す所まではまだしも、その後が正直な所退屈でした。なんせアウグストゥスは若い時から老獪で、あのキケロさえ「先生、先生」と奉っていい気にさせてある意味手の平の上で操っていましたし、そういう政治力については文句のつけようがありません。反面、まったくの軍事音痴で、自分が直接指揮した戦いは全敗しています。その面はアグリッパやティベリウスが補って、それはいいんですが、それでも晩年にゲルマン民族を過小評価した結果として、3万人のローマ兵が全滅するという悲劇を引き起こすことになります。また、これも理解出来ないのが、自身が低い身分だったのをカエサルに才能を見出されて抜擢されたのに、自分の後継者には直接の血族にこだわります。アウグストゥスの後のローマ皇帝で多少なりともアウグストゥスの血を引くものは、ティベリウスを除くとカリグラとかネロとかろくでもない人ばかりで、本当の意味でローマ皇帝制が安定しだすのは内戦を経て、ある意味実力主義の皇帝を選ぶようになってからだと思います。
まあ、ともかくローマの歴史全体を一通りおさらい出来たのは、今やっている「ローマ土地制度史」の翻訳に非常に役に立っています。

「各位」の英訳

ChatGPT4oに、会社のある対外向けニュースリリースを英訳させたのですが、元の日本語にあった「各位」を”To Whom It May Concern,”と訳していました。私が若い頃教わったのは、この表現は直訳すると「本件が関係するであろう方へ」「ご担当者様へ」ということで、非常に弱い表現で受け取った人が自分宛ではないと思うことが多いので、出来るだけ避けた方が良い、ということでした。
なので、”Dear our stakeholders,”((利害)関係者の皆様へ)にしたらどうかと思って、ChatGPT4o先生にお聞きしたら、
“Using “Dear our stakeholders,” is a great choice! It makes the letter feel more personalized and specific to those who have a vested interest in the company. ”
ということで、そっちの方がずっといいということでした。
まあ対外向けレターとかについて、中途半端な先生とかテキストに教わって”To Whom It May Concern,”ばかり使う人がいますが(ネットでも結構出てくる)、少しでも相手を特定した方が良いということです。

ウルトラマンタロウの「大海亀怪獣東京を襲う!」と「親星子星一番星」

ウルトラマンタロウの「大海亀怪獣東京を襲う!」と「親星子星一番星」を続けて観ました。またも2話連続でした。それなりにスタートにあたってストーリーを作ろうとしている姿勢は感じました。しかしそのお話がガメラ+モスラで、ガメラは円谷プロじゃないだろ、と思って観てました。特にキングトータスとクイントータスが回転しながら飛ぶシーンはガメラそのものでした。このエピソードで悪役はまずは2匹のトータスを捕まえて見世物にしようとした日本人と、また折角ZATが故郷のオロン島に戻してあげたのに、そこを攻撃するアメリカ軍(とははっきり言っていませんが、当時の子供でもそれは分ったでしょう)。この悪役設定はモスラです。タロウはクインが死んでキングが現れ、そして子亀が孵化してという状況に、キングを倒せず悩んで、結局クインの遺体を宇宙に持ち去ります。そして大きくなった子亀を背負って飛べなくて困っているキングに、お助けキャラのセブンが登場し、子亀を背負って、結局M78星雲に連れて行く、という話です。まあまたもヒーローらしいすっきりした勝ち方はまるでありませんでしたが。

バックロードホーン、ローカットフィルター変更

20cmバックロードホーンに付けたT900Aというフォステクスのスーパーツィーター、リスニング位置だと角度が付いて弱いような気がしたので、ローカットフィルターを0.47㎌だったのを、手持ちのアムトランスの0.22㎌(元々カップリングコンデンサー用)をパラって、0.69㎌に。かなり高域がはっきりして来ました。クロスオーバーを計算すると28.8KHz(0.47㎌の時は42.3KHz)になってしまうんだけど、コンデンサー1個のネットワークはアッテネーター的に使って、容量を減らすと音圧が全体的に下がり、逆は上がるということのようです。
(クロスオーバー周波数の計算は、10^6/2/3.14/スピーカーのインピーダンス/コンデンサーの容量。KHzでいいなら157/スピーカーのインピーダンス(Ω)/コンデンサーの容量(㎌)。)

トワイライト・ゾーンの”Black Leather Jackets”

トワイライト・ゾーンの”Black Leather Jackets”を観ました。あるアメリカの町に、黒い革ジャケットを着てバイクに乗った若い3人組の男達が現れます。彼らは町中の空き屋を借り、何か大きな箱を多数持ち込みます。その家の周りではTVやラジオの障害が出て、ある家の主人がその家に奇妙なアンテナを発見し、おそらくアマチュア無線か何かだと思って文句を言いに行きますが、催眠術か何かで丸め込まれてしまいます。3人組の内の一人は、その主人の娘と偶然知り合い好きになってしまいます。実は3人組はある星からの地球侵略の先遣隊で、貯水池に毒を入れて住民の全滅を計画していました。しかし地球の女性が好きになったデビルマン状態の男が、その星のボスに侵略を中止するよう申し入れますが、その男はどこかへ連れて行かれ…という内容で、まあありがちなお話でした。しかしエイリアンの通信器が、あまり科学が進歩しているという感じではなかったのがイマイチでした。

こども囲碁名人 小学生の部決勝戦(2024年10月6日放送分)


本日のNHK杯戦の囲碁は、こども囲碁名人戦でお休み。黒番小川さんが小学4年生、白番横手さんは去年の優勝者で小学6年生、二人は何と同じ藤澤一就9段の教室に通う、普段からのライバル同士です。序盤黒が左辺の攻防で左下隅を捨てて上手く振り替わりましたが、白地が40目ぐらいあって大きく、ここまでは白がリード。しかし右上隅から右辺、中央の戦いで、白の疑問手があり、黒が右上隅からの一団を活きた上に、左下隅も大きくまとめてここで逆転、黒の12目半勝ちとなりました。二人とも近い将来プロ棋士になるのではと思います。その日が楽しみですし、小さい時からAIを使って強くなったプロ棋士がどういう碁を打つようになるのかも楽しみです。

マックス・ヴェーバーとカール・ランプレヒト

ヴェーバーの「ローマ土地制度史」の参考に、その師であるマイツェンの本を読んでいたら、何とランプレヒト(ドイツの経済史家で、ランプレヒト論争というのがあって批判の対象になった、ヴェーバーも批判する側に回った)が、ヴェーバーと同じくマイツェンの門下だったことが分りました。

マイツェン門下の二人

ウルトラマンタロウの「その時ウルトラの母は」「ウルトラの母はいつまでも」

ウルトラマンタロウの「その時ウルトラの母は」「ウルトラの母はいつまでも」を観ました。タイトル通りで、スタートから3話、ウルトラの母が出っぱなしです。二体の怪獣と戦って左腕を折られて苦戦したタロウですが、二体を凍らせてから破壊して倒します。しかしその内一体が復活し、再度戦ったタロウはまたも腕を攻撃され、大苦戦します。そこにママが駆けつけ「マザー光線」で腕を元通りにし、二人で協力して怪獣を復活しないように宇宙に運んで倒す、という「母よあなたは強かった」の話。というかウルトラヒーローとしては弱さしか感じません…

FE203Σ-REの第一印象

FE203Σ-REの第一印象。エンクロージャーはヤフオクで入手したもので、元々FE208-Solという今回入手したのより更に強力な磁気回路を持っているユニット向けの、フォステクスの推奨箱(を個人が製作されたもの、材質はシナアピトン合板)です。(下図)なので、SolよりはQ0がやや高い(磁気回路がやや弱い)203Σ-REがこの箱をきちんと鳴らせるかが最初の懸念点でしたが、その点はほとんど問題が無いように思います。このSol用の箱が、横幅を拡げて内容積を上げていると言っても、実は板取りの関係とかで、必ずしもSolに最適な大きさではなかったようで(この推奨箱でも低音不足だったようです)、むしろ203Σ-REにピッタリなんじゃないかと思うくらいです。低域もそれなりに力強くドライブ出来ており、内部容積を減らす必要はなさそうです。
スーパーツィーターはT900Aを、0.47㎌のフィルムコンデンサー1個だけで逆相でつないでいます。(その後0.22μFを追加でパラって0.69㎌にしました。)
FE206NV2と比べると、FE203Σ-REの磁気回路の強さは、磁石2枚重ねと言っても、BI値(力係数、N/A)で比べると実はせいぜい13%アップぐらいに過ぎませんが、しかし音はかなり違います。音のダンピングというか制動が非常に強力で、ピアノの強打とかは本当にグランドピアノをすぐ側で聴いてるかのような(あるいはそれより更に誇張された)力強さです。何だか脳がマッサージされる感じで、これはこれで快さがあります。ただ能率が高いのも良い点ばかりではなく、様々な雑音も良く再生するので、ソースによっては全体に少し音にほこりっぼさやザラつきめいたものを感じます。前の投稿で紙臭くはないと書きましたが、ボーカルの艶とかは例えばポリプロピレンのコーンとかに比べるとやはり紙は紙という感じです。
特筆すべきは音像の明確さで、今PCで朝のNHKのニュースをNHK+で観ていますが、普通映像があると音像はそちらにあるように引っ張られて感じがちですが、このFE203Σ-REのバックロードホーンの音像は、そういった錯覚を吹っ飛ばして、かなりはっきりした音像を再生します。
バックロードホーンの最大の欠点である、低音の特定の周波数でのボンつきは、ハセヒロのキットでの16cmユニットのバックロードホーンほどではないですが、やはりボリュームを上げるとそれなりに目立ちます。ただそのハセヒロのと違って開口部は下の方にあるので、実際のリスニング位置では多少ハセヒロのキット(ブックシェルフ型なのでスタンドに載せると開口部が高くなる)のよりはマシです。なお50Hzレベルはやはり苦しいので、フォステクスのサブウーファーでクロスオーバーを50Hzにして、ほんの少しだけ補っています。
ともかくバックロードホーンというのは強烈な長所も持つ一方、低域を中心として大きな欠点も持っている方式であり、これだけあれば、というのとは違うように思います。私自身は密閉型とバックロードホーンという両極端の間で揺れており、メインは密閉型(KriptonのKX-5PX)にしながらも、バックロードホーンの音も好きです。今までハセヒロのキットでバックロードホーンを2台作りましたが、それはホーン長が短いとか、磁気回路がそこまで強力ではないユニットなどのせいで、本当の意味のバックロードホーンの音になっていなかったように思います。そういう意味で今回初めて本当にバックロードホーンらしい音が聞けたように思います。