古今亭志ん生の「猫の皿、藁人形、権兵衛狸」

jpeg000 167本日の落語、古今亭志ん生の「猫の皿、藁人形、権兵衛狸」。
昭和35~36年の録音で、志ん生の「病前」です。
志ん生の「藁人形」は先日別のCDで聴きましたし、噺自体がとても嫌な噺で聴きたくないのでパス。
「猫の皿」は、ある茶店で柿右衛門のお皿を猫に餌をやる皿に使っているのを見た古美術商が、その茶店の主人を騙して、安くその皿を買いたたいてやろうとして、却ってその主人にはめられるお噺。
「権兵衛狸」は、いたずら好きの狸と権兵衛さんのある意味ほのぼのしたお噺で、志ん生にぴったりあった噺です。

小林信彦の「イーストサイド・ワルツ」

jpeg000 174小林信彦の「イーストサイド・ワルツ」再読完了。
1993年4月27日~10月3日 毎日新聞朝刊に連載されたもの。朝日新聞に連載された「極東セレナーデ」は一応成功作だと思いますが、この作品は毎日新聞の読者に歓迎されたか疑問です。特に終わり方の暗さと来たら…
作者は後書きで、「初めての恋愛小説」だと説明していますが、それはないと思います。1988年の「背中合わせのハート・ブレイク」(原題は「世間知らず」)はどうなるのでしょうか。その「ハート・ブレイク」と結構共通点が多いです。主人公がどちらも「世間知らず」であること、主人公の若い時の恋愛が自分は振られたと思っていて、相手は逆に主人公に振られたと思っていること、そしてどちらもハッピーエンドではないこと、等々。また、1992年の「ドリーム・ハウス」とも、一緒に住んでいる女性が結婚した後自分を殺して家と土地を自分のものにする、という心配をする所がかぶっています。
後、山の手の男性と下町の女性の恋愛ということで、「東京の街」論がたっぷり出てきますが、恋愛小説には不必要な詳細さであるのと、小林信彦をずっと読んできている読者にはある意味うんざりするような感じです。
この作品は、知らなかったのですが、「イーストサイド・ワルツ 悦楽の園」としてVシネマになっているみたいです。ここで予告編が見られますが、意外と忠実な映像化をしているように見えます。