アウター・リミッツの”The Forms of Things Unknown”

アウター・リミッツの”The Forms of Things Unknown”を観ました。これがシーズン1の第32話で最後です。
カッシャとレオノーラという二人の若い女性がアンドレという若い男とドライブしています。男は湖を見つけそこで泳ぎますが、女達はアンドレに毒入りのカクテルを飲ませ殺します。実はアンドレは金持ちのドラ息子ですが、レオノーラの父親を脅迫してそこから金を取ろうとしていました。二人が雨の中死体を車で運んでいると、突然死体を入れたトランクが開きます。レオノーラは死体がウィンクしたと思い、恐怖のあまり森の中を逃げ、やがて一軒の家を見つけ助けを請います。カッシャも追いつき二人とも中に入れてもらいましたが、そこは盲目の老年男性と若い男(また出ました、ナポレオン・ソロのイリア・クリアキンで有名なデヴィッド・マッカラムです!)が二人で住んでいました。二階からは何故か多数の時計のチクタク音が聞こえて来ます。カッシャはアンドレの死体を埋めようと車に戻ります。カッシャは2階の時計だらけの奇妙な部屋で蘇ったアンドレを発見して気絶します。実は若い男は時を傾斜させる装置を作っていて、その装置で過去に死んだ者を甦らせることが出来ており、アンドレを蘇らせてしまったものです。若い男は結局悪を蘇らせてしまったことを悟り、再度アンドレを死体に戻します。実はその若い男自身もその装置で蘇ったのであり、その装置を壊すように女性達に頼んだ後、結局自分でその装置を逆転させて自分自身を消滅させます。
今回もまたSF+ゴシックロマンという感じの話でした。時を傾斜させる装置の何というかチープさにはあきれましたが。

小池一夫・叶精作の「オークション・ハウス」

小池一夫・叶精作の「オークション・ハウス」を読了。このコンビの作品は「実験人形ダミー・オスカー」「BROTHERS-ブラザーズ」「魔物語 愛しのベティ」などがありますが、最後のを除いて、やたらとSEXシーンが出てくるのが特徴で、この作品も同じです。これを読んだきっかけは先週土曜日カーナビの取り付けで待ち時間が3時間半もあったんで、コンビニで最初の2巻を買って読んだら面白かったので、後も読んだものです。前半は敵討ちがメインで、フェルメールの「レースを編む女」をオークションで落札した主人公の両親が3人組の殺し屋に虐殺され絵も奪われたのに復讐するという話です。小池一夫は元々大衆小説家志望で、山手樹一郎の弟子でした。そういう意味では敵討ちというのは、実に大衆小説的ではあります。後は主人公がフェルメールの贋作で有名なハンス・メヘーレンの息子の弟子になり、自身も贋作技術を身に付けたため、真作と贋作の見分けが非常に上手い、という設定も面白いです。しかしまともなのは、この電子版で15巻ぐらいの敵討ちが完了するまでで、後は蛇足としかいいようがなく、主人公は(ゴルゴ13+007)÷2のような何でもありのスーパーヒーローになり、また行く先々で恋人を作り妻にして、最後は妻が14人とかになります。また主人公の背中は次々に襲ってくる敵との戦いで傷だらけになり、ますますゴルゴ13化しています。ちなみに小池一夫は「子連れ狼」がヒットする前はそのゴルゴ13のさいとうプロにいたのであり、ゴルゴ13の原作も何本か書いています。なのでゴルゴ13的スーパーマンを描写するのは非常に得意です。また作画の叶精作もさいとうプロ出身です。しかし、途中から主人公がヤマト拳法という秘拳の継承者で、それを習った人が連合艦隊の南雲中将だとか、またその拳法の別の継承者がヒトラーとその娘だとか(「ブラザーズ」でもヒトラーがサイボーグ{HEM}として蘇るという話しがあります)、この辺りに来るともう笑うしかないです。敵討ちで終らせておけばA級作品だったと思います。

トワイライト・ゾーンの”Two”

トワイライト・ゾーンの”Two”を観ました。ここからシーズン3になります。あるおそらくアメリカのどこかの町ですが、ほとんどジャングルになっています。ここでは5年前までアメリカとおそらくソ連の局地戦が行われた結果、町はほとんど破壊され人は誰も歩いていません。そこに女性兵士が現れ、町を歩き回ってレストランの跡を見つけ、チキンの缶詰めを発見して食べようとします。そこに女性とは別の色の軍服を着た男性兵士が現れ、争いになり結局男性が女性をノックアウトします。男性はチキンを取って食べますが、半分食べた所で女性兵士に水をかけて目を覚まさせ、チキンを与えて食べるように言います。そしてもう戦うつもりは無いと言いますが、女性兵士には男性兵士の英語は通じません。理髪店の跡で男性兵士は髭を剃り、女性兵士は顔を洗って二人ともなかなかの美男美女であることが分ります。途中で女性が銃を見つけて撃ち合いになったりしまったが、結局二人は婚礼衣装をそれぞれ見つけて身にまとい、おそらく一緒になるというのが暗示されて終わりになります。
なお女性兵士の唯一のセリフの”prekrasnyy”はロシア語で「美しい」という意味です。

ウルトラQの「虹の卵」

ウルトラQの「虹の卵」を観ました。ウルトラQのエピソードの中では、かなり普通のというかちゃんとした怪獣もの。それでパゴスという怪獣がかなり強力で、ウランなどの放射性物質を食べ、口から分子破壊光線を出します。しかしご都合主義で以前北京の原子力発電所をパゴスが襲った時のデータからネオニュートロンミサイルというパゴス専用の武器が出来ていて、あっさりそのミサイルでやられます。そういった怪獣の話に、子供達とある老婦人の触れあい話がからませてあって、最後はその老婦人が歩けなかったのが歩けるようになる、という「クララが立った!」的エピソードになり、ウランの収容容器が願いを叶える虹の卵だったんだ、とほのぼの終ります。

アウター・リミッツの”The Chameleon”

アウター・リミッツの”The Chameleon”を観ました。あるエイリアンのUFOが地球に着陸し、一人のガードマンを殺害します。軍隊はすぐに攻撃しようとしますが、調査の結果UFOが核エンジンか核爆弾を中に持っていることが分り、攻撃は中止になります。CIAはこれまで何度も困難な任務を成功させてきたメイスというある意味自分を持たないで任務に徹する男を、エイリアンの血から採取したDNAを使ってエイリアンの姿そのままに変異させ、UFOの中に送り込みます。メイスはすぐに地球人が化けたものだということがばれ、フォースフィールドに捕まえられてしまいます。メイスはしかし、エイリアンのDNAから彼らの知識の一部も体得し、エイリアンの宇宙船の状況やその他について披露し、エイリアンは結局メイスを仲間と認め、彼らの星に一緒に来るように誘います。しかしCIAのボスからの合図で自分の使命を思い出したメイスはエイリアンの一人をエイリアンの武器で殺害します。そしてもう一人残ったエイリアンを追い詰めながら、結局エイリアンが平和な種族であり、むしろ地球人が残虐であることを悟り、CIAのエージェントとしてこれまでカメレオンのように生きてきたのを止め、今度こそ本当にエイリアンの星に自ら行くことを望みます。メイスの気持ちを理解した軍隊のトップとCIAは、UFOを攻撃せずにそのまま離陸させ見送ります。
まあ結局恐ろしいエイリアンっていうのはもしかすると地球人の残虐さの単なる反映かと、反省させるようなお話でした。

カーナビを新しくしました。

愛車オーリスのトヨタ純正カーナビが、10年経って地図のデータ更新サービスが無くなったのをきっかけに、カーナビを買い換えました。今回はWebで調べたらKenwoodが一番出している機種が多く、値段も手頃だったので、MDV-S709Wにしました。それで地図の更新がまたMap-fanでした。前の機種の時も、地図データの更新が面倒で、10年経ったから改善されているかと思ったら、更に面倒になっていました。私はPC歴42年ですが、それでも面倒に感じるのを、一般的な高齢者ではまず無理だと思います。一方でスマホの地図が無料で常時最新になっているのに、こういうサービスが生き残っていけるんでしょうか。

NHK杯戦囲碁 高尾紳路9段 対 許家元9段


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が高尾紳路9段、白番が許家元9段の対戦です。布石は黒が右辺に大模様を築きましたが、黒は模様一辺倒ではなく、左上隅では三々に入り、また左下隅でも左辺から裾がかりし、バランスを取っていました。白は右辺は下方で浅い消しを打ちました。下辺の折衝でやや黒に誤算があり、あちこちに断点があって切れる可能性があり、白がリードしました。その後白が右辺上方に深く打ち込み、この石自体が単独で活きるのは難しかったですが、黒のダメヅマリを利用して、中央に利きを沢山作りました。そうしておいてから上辺の黒に対して1線に置いて眼を取ったのが真の狙いで、黒は劫に持ち込むことは出来ましたが、白の劫材は右辺に沢山あり、劫=死に、でした。黒はやむを得ず上辺を捨てて打ちましたが白の得が大きく、白の勝勢になりました。結局白の中押し勝ちになりました。許家元9段はこれまでNHK杯戦囲碁で高尾紳路9段に3連敗していましたが、ようやく1勝を返し、ベスト4に進出しました。

トワイライト・ゾーンの”The Obsolete Man”

トワイライト・ゾーンの”The Obsolete Man”を観ました。これでシリーズ2は終わりです。
ナチスドイツやスターリン支配下のソ連以上の全体主義の国の話で、そこでは宗教は完全に否定されて、本は焼かれ、体制に逆らったものは”obsolete”(古くなった、廃止された)と宣告され、死刑にされていました。あたかも今一人の男が”obsolete”宣告を受けております。その男は職業を問われると図書館員と答え、尋問側の失笑を買います。何故なら書物も図書館ももう存在しないからです。また男は神を信じるといい、これも失笑されます。男は処刑の方法と時間を選ぶことが出来、また処刑に立ち会う人を指定することが出来ます。男は次の日の深夜に自分の部屋で、を選択し、なおかつ自分の処刑がTVで中継されることを希望し了承されます。男が希望した立会人は彼に”obsoleteを宣告した指導者の一人でした。処刑の20分前くらいにその指導者は彼の部屋にやって来ます。彼は自分が選択したのは爆弾による爆破だと言います。それを聞いた指導者の一人は部屋から出て行こうとしましたが、男が鍵をかけてしまったため、指導者の一人は部屋に閉じ込められます。そしてこのままでは男と一緒に深夜に爆死することになります。男は静かに座って、秘かに隠していた聖書を取り出して読み始めます。爆破数分前になって指導者の一人はついに「助けてくれ、神が私を救うようにしてくれ」と叫びます。それを聞いて男は鍵を取り出してドアを開け、指導者の一人は間一髪で命が助かりますが、男は爆死します。しかしその指導者の一人の臆病な振る舞いは全国民に中継されていたため、結局今度はその指導者の一人が”obsolete”の宣告を受けることになり、傍聴していた人々が言い訳をする彼を捕まえます…
というなかなか良く出来たお話でした。ただ男の行為は指導者の一人に対する復讐にはなっても、その国の体制を変えることにはならないであろうことがちょっとひっかかりますが。

ウルトラQの「カネゴンの繭」

ウルトラQの「カネゴンの繭」を観ました。私はウルトラQの放映時5歳で、確かにウルトラQはリアルタイムで観ていると思いますが、ほとんど忘れています。そんな中このカネゴンだけは印象が強烈で良く覚えていて、放送当時から子供達にもっとも人気がある怪物の一つではなかったかと思います。
意外だったのはカネゴンになってしまう前の金男がガキ大将的キャラクターだったことで、金に汚いのとガキ大将はあんまり合わないような気もします。そして金男がカネゴンになってしまった後の子分達は意外とドライで、カネゴンをサーカスに売り飛ばしてしまおうとします。
後は面白かったのは、実にアジア的なシャーマンみたいな女性祈祷師が出てくることで、「ヒゲオヤジが逆さになるとカネゴンは金男に戻る」というお告げをします。そして本当にブルドーザーで子供達を追い回していたヒゲオヤジ(ちなみにその助手の男は二瓶正也が演じていました)が、ブルドーザー毎ひっくり返ると、カネゴンの尻尾から火花が吹き出してカネゴンは空に舞い上がり、やがてパラシュートで金男が元の姿で降ってきます。
そして最後も秀逸で、やっとカネゴンから人間に戻って安心した金男が家に戻ってみると、カネゴンが銀行のお金を食べている時に、参考人として呼ばれた両親がそのお金の一部をネコババし、そのため二人もカネゴンになってしまったというものです。

アウター・リミッツの”Production and Decay of Strange Particles”

アウター・リミッツの”Production and Decay of Strange Particles”を観ました。深宇宙から地球に降り注ぐ、あらゆる物理法則を超えた素粒子を、ある原子力研究所では、重金属の中に取り込もうという実験をしていました。しかしその実験は暴走を始め、作業に携わっていた科学者達について、防護服の中の肉体を消し去り、何かのアークのような光に満たされたものがそれに取って代わります。そのものは次々に別の作業員を捕まえては仲間を増やして行きます。(おそらく異次元から来たエイリアン。)研究所全体の放射線レベルはどんどん上昇して行き、危機的状況になります。研究所の所長は逃げ出そうとしますが、その奥さんがきわめて気丈で旦那を励まし、若い女性は避難させて二人だけ残り、旦那に何とか解決法を見つけようとさせます。ついに反応を逆にするため、核分裂ではなく核融合プロセスを行えば元に戻る筈だと気付き、所長は奥さんに励まされながら何とか装置をセットします。しかしその逆反応は、大規模な核爆発を引き起こします。奥さんは倒れかけている所長を車に乗せて、近くのシェルターまで避難し、二人はそこで大爆発を目撃します。しかし所長はこの爆発によって時間が逆行する筈だと言い、その言葉通り爆発の被害は元に戻り、最終的には爆発が消えて、研究所だけが消滅します。素粒子とか反物質とか、これが放映された頃はまだ知られたばかりだった新しい素粒子物理学の用語が多数登場し、当時としてはなかなか気合いの入ったエピソードのように思います。ただ日本人はあまり見たくないシーンの連続ですが。