学芸書林の「定本・白井喬二全集」の収録内容

学芸書林の「定本・白井喬二全集」の収録内容です。第I期は刊行されていますが、第II期は白井喬二自身の意向で未刊行になっています。

第I期
[1] 富士に立つ影
[2] 富士に立つ影
[3] 富士に立つ影
[4] 富士に立つ影
[5] 盤嶽の一生
[6] 神変呉越草紙・怪建築十二段返し・江戸天舞教の怪殿・桐十郎の船思案・蜂の籾屋事件・傀儡大難脈
[7] 新撰組・兵学大講義
[8] 帰去来峠
[9] 短編集 I(宝永山の話、本朝名笛伝、九段燈と湯島燈、遠雷門工事、油屋円次の死、剣脈賢愚伝、青桐証人、鳳凰を探す、獅子面のぞき、芍薬奇人、ばっさい、闘鶏は悪いか、猿の方が貴い、神体師弟彫、国入り三吉、忠臣の横顔、邪魂草、湯女挿話、築城変、老子鐘、倶利伽羅紋々、兵学美人行、拝領陣、瓦義談、指揮杖仙史、名器殿物語、或る日の大膳、薫風の髭噺、職追い剣、広瀬水斎の諷刺、美泥、生命を打つ太鼓、敵討つ討たん物語、唐草兄弟、銭番論語、月兎逸走、白痴、密状霊験記)
[10] 珊瑚重太郎・金襴戦
[11] 国を愛すされど女も
[12] 国を愛すされど女も
[13] 忍術己来也・露を厭う女
[14] 上杉謙信・石童丸
[15] 雪麿一本刀
[16] 雪麿一本刀

第II期
[17] 祖国は何処へ
[18] 祖国は何処へ
[19] 祖国は何処へ
[20] 祖国は何処へ
[21] 河上彦齋・相馬大作
[22] 戦国紳士録・柘榴一角
[23] 瑞穂太平記
[24] 瑞穂太平記
[25] 瑞穂太平記
[26] 孔雀屋敷・唐手侍・鳴竜日記
[27] 新説岩見武勇伝
[28] 翡翠侍
[29] 源平盛衰記
[30] 源平盛衰記
[31] 源平盛衰記
[32] 伊達事変
[33] 伊達事変
[34] 東遊記
[35] 短編集II 明治媾和・他
[36] 別巻 鳳雀日記・論集・歌・俳句・年譜

この全集の収録作品は、第II期の「相馬大作」「鳴竜日記」「新説岩見武勇伝」以外は大体読んでいます。こちらを参照ください。
また、平凡社の白井喬二全集全15巻の内容はこちらにあります。

白井喬二の「祖国は何処へ」[3]尖端篇

jpeg000-10白井喬二の「祖国は何処へ」第三巻。尖端篇を読了。
幕府は、島将軍一派を多数捕まえる方針を立て、捕まえた者達を閉じ込めておくため、下総の国の下志津原に、新しい牢獄を建設する計画を立てます。その所長は衣笠陣内という者で、西洋の牢獄を実地に見てきており、新しく西洋式を取り入れた牢獄を建設します。南條芳之とその妹のお才、そして金乃美も実はその近くに潜んでいました。新しく建設された獄舎に、江戸から囚人が送られてきましたが、その中に臺次郎がいるかどうか、つまり臺次郎が生きているかどうかが三人の一番の関心でした。お才は洗濯女としてその獄舎に入り込み、囚人の中に臺次郎がいるかどうかを確かめようとします。芳之は、臺次郎を思う金乃美に嫉妬し、思い通りにならない恋に狂い、酒色にふけって、危うく仲間から斬られかけます。しかしながら、金乃美に対し、もし囚人の中に臺次郎がいないことがわかったら、自分と結婚してくれるように頼み、承諾を得ます。お才は、ある時牢番から、獄内の囚人の年齢を聞き出し、三十才以下のものはいないと聴いて、臺次郎はいないと判断します。この結果、芳之と金乃美は結婚することになりました。しかし実はお才の判断は間違いで、臺次郎は牢の中にいました。牢番の中に、昔臺次郎が助けたことのある喜徳がおり、喜徳は昔の恩を返そうと、臺次郎の牢の鍵を外しておき、臺次郎を逃がします。金乃美は婚礼の当日に、臺次郎が脱獄したことを聞き、初めて臺次郎が生きていたことを知ります。

民人篇 革新篇 尖端篇 心影篇 島嶼篇 海奴篇 異邦篇 結晶篇 寸終篇 総評