「謎の円盤UFO」の”Kill Straker!”を観ました。フォスター大佐ともう一人がルナモジュールで地球に帰還しようとした時にUFOに接近され、そこで催眠術で洗脳されて「ストレイカーを殺せ」という意識を刷り込まれ、とある意味よくあるパターンのお話です。UFO側もやる作戦が何というか回りくどいというか、催眠術で洗脳するんだったら、SHADOの隊員全員を対象にするとかだったら効果あると思いますが、たった2人です。更にはフォスター大佐だってSHADOの重要幹部なんですから、催眠術をかける暇があったら、さっさと処分すればいいと思います。ただこの回で興味深いのはストレイカーがムーンベースを複数作る計画をヘンダーソンに対して述べていることで、UFOが一度に多数襲撃してくる可能性を示唆しています。実際それが一番効果的な攻撃だと思いますが、何故かUFO側は今回の作戦みたいなみみっちいことしかやってきません。(後の回で実際に50機のUFOが集団攻撃して来る話がありますが、何故かその時はムーンベースの限られた防衛力で全機撃墜出来てしまっています。このように回によって脚本家が違うため色んな矛盾が出ています。このドラマに限ったことではありませんが。)
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白井喬二の「春月を語る」(エッセイ)
白井喬二の「春月を語る」(エッセイ)を読了。南北社の「南北」という文芸誌の1968年2月号に掲載されたもの。1968年といえば、白井が「大法輪」に「黒衣宰相 天海僧正」を連載している頃で、白井は77か78歳でしょうか。「春月」とは言うまでもなく、詩人の生田春月のことです。生田春月は白井と同郷の米子の生まれで、白井の3年後に生まれ、白井と同じ角盤高等小学校で白井の二年下でした。しかし、春月は実家の酒造業が破綻を来して、小学校を中退せざるを得なくなります。17歳の時に生田長江の書生になり、文学とドイツ語他の語学を学びます。そしてハイネに傾倒しその詩を訳したり、自分でも詩を発表するようになります。しかし、38歳の時に瀬戸内海で船の上から投身自殺します。
白井は単に小学校の同窓としてだけでなく、春月が小学校を辞めた後も一種の文学仲間として付き合いを続けます。また、白井によれば春月が朝鮮に滞在した際に、毎日のように春月から白井に短歌が送られて来たそうです。
白井はそれまで求められても春月の思い出を文章にすることはなかったそうですが、その白井がこの一文を寄せたのは、詩人の広野晴彦が、「定本生田春月詩集」を編み、自身が詩人でありながら、春月の生涯を調べ尽くそうという氏の情熱にほだされてのことのようです。
私自身も既に38年も前に亡くなった白井喬二の作品をひたすら追い求めている訳で、その私が生田春月を追い求めた広野晴彦氏の話を読むというのも何かの縁のように思います。
「謎の円盤UFO」の”E.S.P.”
「謎の円盤UFO」の”E.S.P.”を観ました。エイリアンが地球人の超能力者を操って、その能力を強化するのと同時に、実際はUFOが彼の家に突っ込んでその奥さんを殺したのをSHADOが殺したと思い込ませ、その超能力者にストレイカーとフリーマンを殺させようとする話。イギリス人はオカルトとか超能力とか本当に好きですね。エイリアンが超能力者を借りて本音を語っていますが、その内容は「我々の惑星は死にかかっている、天然資源も枯渇してしまった。」というものです。当初の設定だとUFO側が地球にやってくる目的は、地球人の内臓を採取して自分達の体に移植することだった筈ですが、この回では地球に丸ごと移住するのが目的とエスカレートしています。私的にはちょっとイマイチな回です。
「謎の円盤UFO」の”Confetti check A-O.K.”
「謎の円盤UFO」の”Confetti check A-O.K.”を観ました。タイトルは「結婚式用チェック(お祝いの紙吹雪などがついたままになっていないか)、バッチリOK」といった意味。
ストレイカーがSHADOのオフィスに来ると皆が葉巻を吸っています。グレイ中尉に双子の赤ちゃんが産まれたので皆に葉巻を配っているものです。(アメリカの習慣です。しかし、このドラマでは「嫌煙」はまるで見られません。)ストレイカーは自分の子供が産まれた10年前を思い出し、ということでSHADOが最初どのように作られたのか、という話になります。同時にそれは新婚ホヤホヤだったストレイカーとメアリーの生活がどのように崩壊したのかという話にもなります。まあ、SHADOみたいな組織をいきなり責任者として構築するのを担当し、それも秘密裏で激務の理由を奥さんにも一言も打ち明けられず、毎日帰ってくるのが午前様、というのであれば普通家庭は崩壊します。1970年の最初の放送の時に、身につまされる日本のお父さんもたくさんいたんだろうなと思います。こういう人間ドラマ100%みたいな話がはさまるのもこのドラマの大きな特徴ですね。
Arranged marriage (in Japan)
AEON(英会話教室)の英作文課題で書いた”Arranged Marriage”(お見合い結婚)についてのエッセイは以下です。(教師の指摘による文法ミス10箇所修正済み)
かなり教師の評価は良かったです。
Topic: Arranged marriage
Style: Formal
Arranged marriage may sound feudalistic, strange, and old-fashioned to most Westerners. In Japan, however, arranged marriage has been playing a significant role in pairing a man and a woman until quite recently. As you can see in Graph 1 (below), the proportion of arranged marriage was around 70% before the end of World War II, and it had been more than 50% until 1960.
In traditional Japanese society, a marriage was to establish a close relation more between two families than just between a man and a woman. There was no concept of free men and women, and everybody was considered to belong to a family. One of the biggest purposes for traditional Japanese was to let their family continue forever. (You can see the most typical case in the Japanese Emperor family, which is alleged to have continued for more than 2600 years).
The most typical arranged marriage is called Omiai, meaning literally to meet a counterpart for the first time arranged by some relatives or acquaintances. (You can watch examples in some movies of Yasujirō Ozu such as Bakushu (1951), Banshun (1949), or Sanma no aji (1962)). Please note that they were not always “forced marriage”, but the partners to be kept rights whether to accept or decline the proposed marriage. (For the sake of fairness, there were many so called “political marriages” as well and the partners to be did not have any option but to accept the marriage in these cases). Interestingly, most love-marriages were condemned as Yagō, meaning wild pairing, or more literally “intercourses in the field”.
For most systems in our society, there are almost always pros and cons. Let me play the devil’s advocate in describing the pros of arranged marriage in Japan:
(1) People trying to arrange a marriage are considered to take full responsibility for the result of the marriage. It means they were very careful in selecting a possible pair. As a result, they chose well-balanced couples in most cases.
(2) Since this system assumes a close relation of two families from the start, there are fewer troubles after the marriage compared to love-marriage.
(3) Based on the above (1) and (2), divorce rate is much lower than that of love marriage. (As you can see Graph 2, the divorce rate in 2016 is more than 30% while the portion of love-marriage reaches almost 90%).
(4) Young men and women at certain ages are forced to marry someone in this system. This kept the average marriage age at almost the same level. (Delayed marriage is quite a big problem in Japan now, because it lowers the birth rate and accordingly the total population in Japan has started to decline).
In conclusion, arranged marriage can be said to be an example of “hidden wisdom” in a traditional system.
小津安二郎の「晩春」
小津安二郎の「晩春」を観ました。AEON(週1回通っている英会話教室)の英作文課題の”Arranged marriage”(要するにお見合い結婚のこと)の中で、日本のお見合い結婚というものを理解したかったら、小津の映画のいくつかを観ろ、と書いて、実際には私は個人的には小津映画で扱っているテーマって苦手なんで「東京物語」と「秋刀魚の味」ぐらいしか観ていないのですが、勧めといて実際に観ないのも無責任と思って観ました。で、中味はお見合いそのもののずばりのシーンは省略されていますが、典型的な日本のお見合いの進行という感じで選択は間違っていなかったと思います。特にお節介なおばさんがあれこれ動く、というのがそれらしくていいです。ちょっとショックだったのは、笠智衆の演じる父親の年が何と56歳!(今の私より若い。)29歳の時に生まれた娘だとしたらまったく不思議はないんですが、「お父さんはもう長くないんだ」みたいなことを言われるとちょっと愕然とします。
原節子は改めて言うまでもなく美しかったですが、その笑顔に何か人工的なものを感じました。
しかし、この映画の主人公の紀子が現在に生きていたら、おそらく生涯独身で終わったでしょう。個人の意向をある程度無視しても、最終的な本人の幸せを願って無理矢理お節介をやく伝統的な日本社会が良かったというべきか、個人に対する抑圧と見るか、色々な考え方はあると思います。
「謎の円盤UFO」の”Close Up”
「謎の円盤UFO」の”Close Up”を観ました。中学生の時観て、一番良く覚えている回です。ちょっと観ると科学的な内容のようで、実はかなりあり得ない内容の回です。
ストレイカー司令官は、UFOがやってくる星に対する反攻のためのデータ集めとして、特殊な人工衛星の先端に高精細な写真が撮れる電子線カメラを搭載し、UFOがやってきた時、攻撃を中途半端で止めて引き返すようにさせ、その人工衛星で後を追わせます。そしてUFOの母星の写真を撮って地球に転送します。ここまではOKなのですが、撮影距離と倍率データが何故か転送されなかったので、写真は役に立ちませんでしたという結末。技師に対し「こんなに鮮明に写っているじゃないか」と怒るストレイカーに、技師は女性(エリス中尉)のドアップ写真を見せて、倍率がわからないと女性の肌も荒野みたいに見えるとか、あるいは高分子化合物の表面が惑星の表面に見えたりする例で説明してストレイカーを納得させます。
でも、このストーリーは色々な意味でおかしいのです。
(1)まずはUFOの母星の正確な位置を突き止めることが必要な筈なのに、ストレイカーはその星の写真を撮ることにこだわります。写真で一体何をする予定だったのでしょうか。
(2)本来の設定ではUFOのエイリアン側の科学が地球より数百年レベルで進んでいて、地球側のロケットではエイリアンの星に到達できない、ということだった筈です。なのに何故か明らかに低速な人工衛星がUFOを追跡してついていけるのか。
(3)今のデジタル写真もそうですが、ズーム倍率とか距離とかは写真データの中に一緒に入っています。なのに画像だけは送られて倍率とか距離データが送られないというのは変です。
(4)そもそも写真を受信出来るのであれば、UFOの母星の位置は突き止められる筈ですが、そういう分析はまったくしていません。
(5)この作戦はストレイカーの肝いりで、予算は10億ドルとなっています。それだけのお金を使って結果0にも関わらず、ストレイカーに対しては何のおとがめもありません。
という訳でおかしな脚本の回だと思います。写真は珍しく海上を航行するスカイダイバーとシルヴィア中尉。