落語、今日は志ん朝の「百年目」。店の中でいつも小言ばかり言っている商売一筋の堅物に見える番頭さんが、実は大変な遊び人で、ある日芸者と花見に出かけてそこで店の旦那とばったり会ってしまい、遊びをやっていたことがばれて…というお噺です。
登場人物が大変多いのですが、志ん朝の演じ分けが見事ですし、長い噺ですが志ん朝のトントントンと噺を運ぶテンポが実に気持ちいいです。
古今亭志ん朝の「百年目」
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小林信彦の「セプテンバー・ソングのように 1946-1989」を再読。この本は小林信彦のエッセイを集めた本ですが、特筆すべきは「1946-1989」となっているように、1946年の当時13歳で中学2年生だった小林信彦の夏休みの日記(学校に提出したもの)がそのまま掲載されていることです。戦争が終わり「平和になって初めての夏休み」ですが、それは明るさに満ちたもので、小林少年は先輩たちが開いてくれた夏期スクール、昆虫採集、映画、読書に熱中します。
タイトルの「セプテンバー・ソングのように」というエッセイは、映画評論家の荻昌弘さんへの追悼文です。
「セプテンバー・ソング」は作詞マクスウェル・アンダーソン、作曲クルト・ワイルによる名曲で、日本では1952年に公開された映画「旅愁」のテーマ曲として使われてから有名になりました。「9月になると日は短くなっていく」と歌われていますが、これが人生のたとえにもなっています。
表紙のイラストは江口寿史です。江口寿史は最近復刊された「極東セレナーデ」でも表紙を描いています。