古今亭志ん朝の「佐々木政談、夢金」

jpeg000 102落語、今度は古今亭志ん朝の「佐々木政談、夢金」です。「佐々木政談」は、子供たちがお白洲ごっこをしているを、たまたまお忍びで市中を視察していた南町奉行・佐々木信濃守が見かけて、お奉行役の子供の頓知の効いた判決に感心し、その子供を奉行所に呼び出して問答する噺です。ちょっと一休さん頓知噺を思わせます。
「夢金」は、欲張りな船頭が、連れの女性を殺して金を奪おうとするヤクザな浪人を、うまくだまして女性を助ける噺です。タイトルから落ちがわかってしまいますが…

小林信彦の「合言葉はオヨヨ」

jpeg000 106小林信彦の「合言葉はオヨヨ」を再読了。大人向けオヨヨ大統領シリーズの3作目です。この「合言葉はオヨヨ」と「秘密指令オヨヨ」は週刊朝日に連載されたもので、どちらも海外の観光地を舞台にしています。「合言葉はオヨヨ」は、香港、マカオ、神戸、東京、釧路、根室と舞台が移っていき、「お宝」が移動していきます。香港、マカオといえば「麻薬」といったイメージがつきまとっていた時代のもので、現在の香港、マカオを知っている私から見るとかなり時代を感じます。
新しいキャラとして香港警察の楊警部補というのが登場します。この人物には明らかにモデルがあって、「袋小路の休日」の「北の青年」に出てくる青年がそうだと思います。何かと毛沢東語録を参照したりする所に共通点があります。
オヨヨ大統領は、この作品ではさらに凶悪性を増し、自らの手で殺人を犯しますし、また犯罪に含まれるトリックのレベルもシリーズ中最高ではないかと思います。
ただ、全体のお話しはジャパンテレビの細井ディレクターが香港のホテルのチェーンロックが中からかけられた自室に女性の死体を発見する所から始まりますが、この密室殺人のトリック自体はかなり陳腐です。
全体的に、日活アクション映画的で、かなりハラハラドキドキは楽しめる作品です。