落語、今度は古今亭志ん朝の「三枚起請、お若伊之助」を聴きました。
三枚起請は異なる三人の男に起請(将来一緒になるという誓約の手紙)を渡しそれぞれを手玉に取るしたたかな花魁のお話で、三人の男と花魁の演じ分けが見事です。
「お若伊之助」は根岸の御行の松のほとりにあった因果塚の由来のお噺で、ちょっと怪談じみていますが、根岸と両国を行ったり来たりする勝五郎の大変ぶりが面白いです。
古今亭志ん朝の「三枚起請、お若伊之助」
返信
小林信彦の「ビートルズの優しい夜」を再読了。「ビートルズの優しい夜」、「金魚鉢の囚人」、「踊る男」、「ラスト・ワルツ」の4篇を収録。
このうち、「ビートルズの優しい夜」と「金魚鉢の囚人」は「決壊」にも収録されていてそっちで読み直したので、今回は「踊る男」と「ラスト・ワルツ」を再読。特に「踊る男」が面白く読めました。別の名前にしてありますが、明らかに萩本欽一がモデルで、コント55号としてデビューして一世を風靡し、その後売れなくて充電の期間を過ごし、その後またTVで大成功するまでが描かれています。個人的に、この萩本欽一が売れていない充電の時代に、ニッポン放送のラジオで「欽ちゃんのドンといってみよう!!」というラジオ番組をやっていて、それをよく聴いていたので懐かしいです。この番組に合わせて萩本欽一は「パジャマ党」というブレーン集団を結成しています。この「欽ちゃんのドンといってみよう!!」をTVに持って行ったのが「欽ちゃんのドンとやってみよう!!」でこれが萩本欽一のTV復活のきっかけとなって大成功します。「踊る男」ではこのあたりまでが描写されていますがラジオのことは書かれていません。
「ラスト・ワルツ」はTVの脚本家がある映画監督にだまされて映画の脚本のネタをぱくられそうになるお話です。このころから権力を持ち始めた広告代理店がある意味不気味に描写されています。最後に、主人公がザ・バンドの「ラスト・ワルツ」を観るところで終わっていて、懐かしかったです。