白骨温泉(大菩薩峠記念碑)

連休で信州の白骨温泉に行きました。ここはいわゆる山奥の秘湯で、昔は訪れるだけで大変だったと思われ、実際に遭難した人の慰霊碑もありました。ここを有名にしたのは言うまでもなく中里介山の「大菩薩峠」であり、机龍之介とお雪ちゃんが一冬をここで過ごします。写真がその記念碑で、題字は白井喬二によるものであり、それを確認出来ただけでもここまで来た甲斐がありました。一軒の宿で温泉にも入らせてもらいましたが、名前の通りの白濁した湯で(一時期入浴剤を使っていたということで騒がれましたが、今はもうしていないと思います)少し硫黄臭がしました。
白骨温泉全体はこんな↓感じです。(なお、県道白骨温泉線というのが完成したため、年中マイカーでアクセス可能です。駐車場は2箇所にあり、おそらく20台くらいは駐められます。無料でしたし、清潔な公共トイレもありました。)

原子力潜水艦シービュー号の”Sealed Order”

原子力潜水艦シービュー号の”Sealed Order”を観ました。また出ました!William Welchの脚本です。そして彼の脚本の中でも、これまでのシービュー号の全ストーリーの中でも、これ以上ないくらい最低のストーリーです。おそらく脚本家のWelch自身が何かLSDか何かをやりながらラリって書いたとしか思えない脚本です。ネルソン提督は大統領からの秘密の指令を受け取りますが、それはシービュー号が運ぶよう頼まれた弾頭が実は中性子爆弾であって、それを無事にサイロBという海中の核兵器格納庫まで運搬するようという命令です。一方シャーキーとコワルスキーは運んでいた弾頭から放射能が漏れていることを発見し、それを直そうといじって中性子爆弾を作動させてしまいます。ネルソン提督はそれを何とか止めようとしますが、ここからが無茶苦茶で、突然ネルソン提督、クレーン艦長、モートン副長、シャーキーの4人を残してシービュー号のクルーが全員消えてしまいます。シャーキーも消えたクルーを探している途中で消えてしまいます。次にモートン副長は以前出てきた大クラゲを目撃した後、姿を消します。そしてついにクレーン艦長も消え、ネルソン提督だけになります。しかしネルソン提督も変な幻覚を見て気絶してしまいます。その次のシーンではコワルスキーがネルソン提督を起こそうとしています。そしてシャーキーも見つかります。で3人になった所から、変なストップモーションで赤色が消えた緑の画面になりますが、そこにクレーン艦長がやってきて3人に襲いかかります。そして4人が乱闘になり、クレーン艦長はノックアウトされますが、それでようやく正気に戻ります。モートンも戻って来て、コントロール室でのアラートを報告します。中性子爆弾が爆発寸前になりますが、シービュー号の核ミサイル発射装置は大統領の許可がないと作動させられません。(といいつつ、勝手にネルソン提督が核ミサイルを発射している回が何回もありますが、それはさておき。)と思っていたら、フェイルセーフシステムの表示がいつの間にか”War”に変わっており、ネルソン提督はなんとか中性子爆弾を発射して空中で爆発させます。で一件落着はいいんですが、何故クルーが消えたのか、で結局全員無事に戻ったのか、何の説明もなく終わってしまいます。もうストーリーとはまったく言えないデタラメです。

NHK杯戦囲碁 蘇耀国9段 対 結城聡9段

本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が蘇耀国9段、白番が結城聡9段の対戦です。布石での驚きは蘇9段が2連星に対し結城9段は何と両三々!初めてみたいです。ただ結論としてはやはり結城9段らしくなかったです。黒は両方の三々に肩付きし、左下隅で白が3線を張ったのに断点を継がずに右下隅を小ゲイマに構えました。白はすかさず出切って行きましたが、そういう展開になるのであれば右上隅は黒の厚みが働くことになりました。白は下辺の黒を圧迫して中央に厚みを築きましたが、かなり薄く黒からあちこちで覗きを打たれて、棒石にされました。また白から下辺に利かしに行ったのにじっと中央を継いで頑張ったのが好手で白を切断する手を残し、実際に後で実現しました。白は2つの弱い石を凌がねばならず、この辺り黒のペースでした。黒にとって逸機だったのは左上隅で押しを決めなかったことと右辺で覗きを打ってからすべって地に走ったことで、中央を補強していれば黒が優勢だったと思います。白は右上隅方面と絡めながら中央の黒を攻める展開になり、形勢を盛り返しました。しかし右辺で利かしを打ち惜しみ性急に中央の黒の切断に行き劫にしようとしたのが準備不足であり、黒は劫にせず敢えて中央を切らせて打ちました。白の包囲網は右辺で欠陥があり、黒は白を切り離しました。そうなると中央の黒のダメは6つ、右辺の白は4つで攻め合いは白の負けで手を延ばすことも出来ませんでした。ここで白の投了となりました。きちんと準備してから劫に行けば劫材は白の方が多く有望だったと思います。

Wikipedia編集情報

Wikipediaの砥石の項の「分類」の所を丸々追加しました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%A5%E7%9F%B3#%E5%88%86%E9%A1%9E

また、「革砥」の項、ほんの数行しかありませんでしたが、全面的に書き直しました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%A9%E7%A0%A5
こちらは各国語のページの中で、一番情報量が多いです。

最悪の操作性のソフト「Map on Demand」

トヨタ純正のカーナビの地図を更新するMapOnDemandというPCアプリがありますが、これの操作性が最悪で、毎回はまります。
(1)地図DLサイトのPW入力が、年に数回しかやらないので忘れています。使い回している何種類かのPWを試しますがすべて駄目。それでよくよく調べたらPWが今時とは思えない、全て数字のPW。ほとんどあきれます。
(2)それで地図DBをDLしようとしたら、毎回やっているのにカーナビの機種設定を覚えてくれておらず、カーナビの機種を入れるか、車の車台番号を入れる必要があり、非常に面倒。
(3)DLしたZIPファイルをドラッグ&ドロップでアプリの上に落としますが、その後エラーで止まります。調べてみたらDLしたZIPではなく、それを1回解凍したZIPファイルを使う必要がありました。(今回はカーナビのソフト自体のアップデートも入っていたため、解凍するとZIPが2つ出てきました。)
(4)それでSDカードの地図データを書き換えるのですが、そのためにはこのアプリのインストールDVDが必要。以前このインストールDVDが見つからず、トヨタの営業所からわざわざ取り寄せたことがあります。
(5)更新時間も20分くらいかかり、非常に遅いです。

私はPC経験がほぼ40年ですから何とか最後まで行きますが、通常の50歳以上の人にはまず使いこなせないのではないかと思います。2年に1回地図更新に2万円くらい取られており、スマホのGoogleマップが自動更新で無償に比べると、きわめてナンセンスです。こんなことやっている内に専用カーナビを買う人はどんどん減っていくと思います。ちなみにこのソフトを作っているのはアイシンAWのようです。(おそらくどこか外注なんでしょうが。)

原子力潜水艦シービュー号の”Journey with Fear”

原子力潜水艦シービュー号の”Journey with Fear”を観ました。何でもあり、の第3シーズン以降を反映して、荒唐無稽の極地のSF調の回。理由はまったく不明ですが、シービュー号の艦内から、何故か有人宇宙船が打ち上げられます。乗組員は2人で、その内1人は何とチップ・モートン副長です。ここから既に突っ込みどころ満載で、
(1)ICBMはシービュー号から発射可能ですが、人が乗れるようなサイズのロケットをどうやってシービュー号から発射するのか
(2)何故宇宙飛行士の訓練も積んでいないモートンが乗り組んでいるのか
など、いくらでも疑問は湧いて来ます。
打ち上げたロケットはしかし途中で行方不明になります。
更に驚くべきことに、シービュー号には予備のロケットも準備してあり、ネルソン提督は先のロケットを捜索するため、その予備のロケットの発射準備を命じます。しかし、準備中にクレーン艦長もろともそのロケットが消えてしまいます。
チップ副長やクレーン艦長が飛ばされたのは、金星です。(金星の表面温度は人が耐えられるようなレベルではない筈ですが、何故か映像の金星表面はほとんど地球と変わりません。)そこにいたのは、同時期に日本で放映されていた「ケロヨン」にそっくりなケンタウロス人です。彼らはチップを自白装置にかけて、人類の宇宙開発がどこまで進んでいて、他星への侵略の意図がどの程度あるのかを探ろうとします。チップの告白で結局指揮官がネルソン提督であることが分かり、ケンタウロス人はシービュー号に乗り組み、ネルソン提督も金星に拉致します。その後、ご都合主義的展開で、シービュー号の3人はケンタウロス人が操る武器のコントローラーを奪い、金星のケンタウロス人の基地が太陽の引力で崩壊する前にシービュー号に無事戻ります。
ケンタウロスの星の位置は不明ですが、彼らから見れば地球より更に遠い金星に何故基地を作らなければならなかったのか、説明はまったくありません。というかこの話が何故「原子力潜水艦シービュー号」の話なのか理解に苦しみます。

原田治、平田雅樹、山下裕二ほか、による「意匠の天才 小村雪岱」

原田治、平田雅樹、山下裕二ほか、による「意匠の天才 小村雪岱」(新潮社、とんぼの本)を読了しました。おそらくこの記事を読まれている多くの方はこの人の名前はあまりなじみがないんじゃないかと思います。私も正直な所まったく知らなかったのですが、白井喬二の作品を探して昭和初期の雑誌を多数古書店サイトで買い、その中の白井喬二作品の挿絵画家としてこの人を知りました。(「若衆髷」、「斬るな剣」など)
で「意匠の天才 小村雪岱」という本を買いました。そのタイトル通り、通常の日本画家に留まらず、本の装丁、挿絵、また化粧品の瓶のデザイン、さらには演劇の舞台のデザインまでも手がけた多才な人です。
小村雪岱の才能を見出したのはあの泉鏡花であり、「雪岱」という名前も鏡花が命名したものです。当然のことながら両者が組んだ書籍が何組かあります。雪岱の装丁の特長は、斜めの線をきわめて印象的にうまく使うことと、色、特に青色の使い方のうまさで、特に隅田川を描いたいくつかの装丁にその特長が良く現れています。
一番有名な作品は、邦枝完二が新聞連載した「おせん」の挿絵です。「おせん」のヒロインは、笠森お仙で「江戸の三美人」の一人としてもてはやされて、浮世絵に多く描かれていて有名です。雪岱の描く女性は、ほぼすべてスレンダーで、あまり直接的過ぎない適度な色気が感じられます。

原子力潜水艦シービュー号の”Cave of the Dead”

原子力潜水艦シービュー号の”Cave of the Dead”を観ました。出ました、またもミイラ男や人魚のWilliam Welchの脚本です。そして今回は「さまよえるオランダ人」です。解説本によると、この人自分の家に幽霊がいる、とか本気で言っていた人みたいで、そういう人にふさわしいオカルト話です。ネルソン提督が第11艦隊の船4隻が行方不明になった海域をフライングサブで調査に行って、激しい雷雨に遭い、その中で空飛ぶ幽霊船を目撃します。その後雷に打たれて飛行不能になったフライングサブが海上に漂っている時に、地図にはない島を見つけ、上陸して調べると洞窟があり、その中に骸骨があり、その骸骨の持っていたナイフをネルソン提督が取ると、さまよえるオランダ人の呪いがネルソン提督に移る、という話です。この後は馬鹿馬鹿しいので省略しますが、ネルソン提督がシービュー号に戻って、クルーが全員白骨になっている幻覚を見るところはちょっと面白いです。

漱石と牡蠣

夏目漱石が「吾輩は猫である」の中で、主人公の猫が飼い主の苦沙弥先生のことを「牡蠣的主人」(寡黙であまり出歩かないという意味で)と呼んでいますね。ご承知の通り漱石は1900年5月から1902年12月までロンドンに留学しています。その当時は「牡蠣=寡黙、非社交的」のイメージは英語の中で確固としてあったのでしょうね。
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彼は性の悪い牡蠣のごとく書斎に吸い付いて、かつて外界に向って口を開いた事がない。

人間もこのくらい偏屈になれば申し分はない。そんなら早くから外出でもすればよいのにそれほどの勇気も無い。いよいよ牡蠣の根性をあらわしている。

主人のようなしなびかけた人間を求めて、わざわざこんな話しをしに来るのからして合点が行かぬが、あの牡蠣的主人がそんな談話を聞いて時々相槌を打つのはなお面白い。

そんな浮気な男が何故牡蠣的生涯を送っているかと云うのは吾輩猫などには到底分らない。

小説中の人間の名前をつけるに一日巴理を探険しなくてはならぬようでは随分手数のかかる話だ。贅沢もこのくらい出来れば結構なものだが吾輩のように牡蠣的主人を持つ身の上ではとてもそんな気は出ない。

「はあ賛成員にならん事もありませんが、どんな義務があるのですか」と牡蠣先生は掛念の体に見える。

原子力潜水艦シービュー号の”The Deadly Dolls”

原子力潜水艦シービュー号の”The Deadly Dolls”を観ました。シービュー号のクルーがクレーン艦長とネルソン提督を除いて、あやつり人形の化けたものに入れ替わるという設定で、第3シーズンの蝋人形とまったく同じで芸がありません。しかも蝋人形の時は室温を最大限上げて蝋を溶かして勝ちましたが、今回はバーナーで人形を「焼いて」倒す、というのもまったくひねりがありません。でそれらの人形を操っているのが、謎の宇宙生命体で、ヤドカリみたいに寄生する固い殻を必要としていて、シービュー号をそれにしようとするという話です。クレーン艦長はパペットが化けたクルーに追いかけられてシービュー号の空調ダクトの中を逃げ回りますが、このパターンももう何回目でしょう。何か変なネルソン提督人形がやたらと出てきてしゃべって狂言回しみたいな役を演じますが、だったら人形遣いみたいな教授がいる必要はないんじゃないかと。もしかするとサンダーバードのスーパーマリオネーションへの当てつけかとも思いましたが、サンダーバードは実はアメリカではTV放映されていないので、多分違うでしょう。