トワイライト・ゾーンの”A Piano in the House”を観ました。劇評論家のフィッツジェラルド・フォーチュンは、彼の妻のエスターの26歳の誕生日プレゼントに、古道具屋でピアノロール(自動演奏ピアノ)を買い求めます。エスターは本当はピアノを習いたかったのですが、フィッツジェラルドはそれをお金と時間の無駄だと考え、自動演奏ピアノを買います。そのピアノロールはしかし不思議な力を持っていて、その音楽を聴いたものは、隠していた本性をすべて露わにしてしまうことが出来ました。執事のマーヴィンはいつも陰気な男ですが、その音楽を聴くと、自分が本当に幸せであるとニコニコしながら言います。そして次にエスターに音楽を聴かせると、彼女はフィッツジェラルドと結婚したのは若気の過ちで、今は彼を憎んでいると言います。誕生パーティーのゲスト達がやって来て、その中の一人の劇作家で独身主義者のグレゴリーに音楽を聴かせると、彼はエスターを愛しており、メキシコへ一緒に不倫旅行をしたと告白します。次に太った中年女性のマージが実験台にされ、彼女は小さな少女ティナでダンスが趣味だと言って踊り出します。最後にフィッツジェラルド自身が悪魔とはどういうものかを演じるため、ファウストの音楽をかけようとしますが、エスターがそれをブラームスの子守歌に差し替えます。その音楽を聴くとフィッツジェラルドは、自分は人に対して意地悪をするしかコミュニケーションを取ることが出来ない、グレゴリーの脚本を酷評したのも、その才能に嫉妬したからだ、と告白します。客は皆彼の元を去り、ただマーヴィンだけが彼を見捨てずに残ります…
といったエピソードで、後味の悪さが残る話です。星新一のショートショートで、皆が肩にロボットの鳥を載せていて、どんなに悪口を言おうとも、その鳥がきわめて礼儀正しい言葉に翻訳して人とコミュニケーションする、というのがありましたが、その逆の話でした。
トワイライト・ゾーンの”A Piano in the House”
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