ジェリー・アンダーソンの「スティングレイ」の第1話”Stingray”

ジェリー・アンダーソンの1964年の作品「スティングレイ」の第1話、”Stingray”を観ました。海底パトロール隊が、海底王国タイタニカに住む海底人と戦うというストーリーです。1話30分。まだ全部観るか決めていません。超有名なサンダーバードはこの1年後ですが、2人の乗員が潜水艦スティングレイに乗り込むシーンで、2人の座る椅子が2人を乗せたまま地下に降りていって、そのままスティングレイの操縦室の中に送り込まれる様子などは、サンダーバードにそのまま引き継がれています。笑ってしまうのはスティングレイの仕様で、原子力潜水艦なのはいいとして、何と水中での速度が時速600ノット!1ノットは1.8Kmですから、時速1,000Km以上!!水の抵抗がある水中で、どんな原子力潜水艦でも絶対に不可能です。原子力潜水艦シービュー号は、諸説ありますが、時速70~90Kmぐらいで、もちろんこれもフィクションです。現実の原子力潜水艦は最速で時速60Km以下です。それから海底人の方の魚型潜水艦が、原子力潜水艦シービュー号のネス湖での戦いに出てきた怪潜水艦に良く似ています。スティングレイの方が先です。第1話ではまだ敵の正体が知られておらず、スティングレイの乗員2名は捕虜になって処刑されそうになりますが、同じく海底人の一人で奴隷となっていたマリーンが二人を助けます。ちなみに司令官は二人が行方不明になり、飛行機で捜索しても見つからなかった時に、なんと水爆ミサイルの発射を命じます。フィクションとはいえ、当時の世相が窺えます。

スター・トレックの第2シーズンの”Bread and Circuses”

スター・トレックの第2シーズンの”Bread and Circuses”を観ました。6年前に調査船ビーグル号が消息を絶った場所の近くの星に、カーク達は生存者を求めて降り立ちます。そこは地球に非常に良く似た星でしたが、何故かローマ帝国とほぼ同じものが20世紀の地球と同程度の文明の星に残っていました。そこではまだ奴隷制度が残っていて、TVでグラディエーター同士が戦うのが中継されています。カーク、スポック、マッコイの3人は最初逃亡奴隷の群れに捕まりますが、彼らは太陽神を信仰していて、人間は平等だと信じていました。町に生存者を探しに行こうとしたカーク達は警察に捕まってしまいます。そこには遭難したビーグル号のキャプテンであったメリックが、コンスルの副官となっていました。ビーグル号の乗員はグラディエーターとして戦わされ死んでいました。コンスルはカークに対しエンタープライズ号の乗員もグラディエーターとして戦うことを要求しますが、カークは拒否します。それでスポックとマッコイがまずグラディエーターとして戦わされますが、フラヴィウスという逃亡奴隷だった一人が助けてくれたりして、なんとか無事に試合を切り抜けます。カークはエンタープライズ号のクルーを呼ぶために渡されたコミュニケーターで、スコッティに暗号でトラブルに陥っているが何もするな、と伝えます。カークは処刑されそうになりますが、暗号を理解したスコッティがエネルギー波を送って一瞬停電させます。それをチャンスにしてカークは処刑の場から銃を奪って逃げ、スポックとマッコイも助けます。彼らは武装警官に取り囲まれますが、メリックがコミュニケーターでエンタープライズ号に3人を転送するよう伝えますが、彼自身はコンスルに刺されて死にます。無事にエンタープライズ号に戻った3人ですが、スポックは逃亡奴隷が太陽神を信仰しているのに人間平等を主張するのはおかしい、というとウフーラが、彼らは太陽そのものではなくて、太陽とは神のことだと言います。カークは地球のローマ帝国の時代にキリスト教が生れたように、この星では20世紀相当の今それが起きていることを悟ります。という話でこの話も脚本にロッデンベリーが参加しています。しかし文明批判としてはちょっと中途半端に思います。ちなみにローマで太陽崇拝の宗教というとミトラ教です。