国立国会図書館の検索システムを用いて、1931年から1932年にかけて刊行された、平凡社の白井喬二全集の内容が分かりましたので、公開します。
「祖国は何処へ」がまだ連載が完結していない段階でトップに来ており、また最終巻の15巻は、春陽堂の日本小説文庫版が出るより先に出版されています。「祖国は何処へ」がこの全集の目玉だったことがうかがわれます。
なお、古書店でもまったく見かけないかなりの稀少本です。国会図書館にも全巻揃っていません。全巻揃えているのは全国でも栃木県立図書館だけで、今回(2017年8月)神奈川県立図書館経由で栃木県立図書館に第6巻、第9巻、第14巻、第15巻の貸し出しを申し込んで、それで取り寄せたのが写真です。(この場をお借りして栃木県立図書館に御礼申し上げます。)
第1巻 祖国は何処へ(上)
第2巻 祖国は何処へ(中)
第3巻 祖国は何処へ(下)
第4巻 新撰組
第5巻 中篇集(沈鐘と佳人、明治の白影、葉月の殺陣、湖上の武人、第二の巌窟、おぼろ侠談、幽閉記、金襴戦、江戸市民の夢)
第6巻 短篇集(宝永山の話、月影銀五郎、湯女挿話、本朝名笛伝、九段燈と湯島燈、築城変、老子鐘、倶利伽羅紋々、兵学美人行、拝領陣、遠雷門工事、油屋円次の死、神体師弟彫、瓦義談、指揮杖仙史、名器殿物語、剣脈賢愚伝、広瀬水斎の諷刺、獅子面のぞき、青桐証人、美泥、生命を打つ太鼓、敵討つ討たん物語、唐草兄弟、銭番論語、目明き藤五郎、密状霊験記、鳳凰を探す、邪魂草、芍薬奇人、桃太郎病、闘鶏は悪いか、ばっさい、月兎逸走、猿の方が貴い、白痴、或る日の大膳、国入り三吉、薫風の髭噺、職追い剣、忠臣の横顔)
第7巻 源平盛衰記(上)
第8巻 源平盛衰記(下)
第9巻 捕物集(怪建築十二段返し、江戸天舞教の怪殿、全土買占の陰謀、桐十郎の船思案、蜂の籾屋事件、傀儡大難脈、虞美人草街、捕物源平記、竹林午睡記、登龍橋、兵学大講義)
第10巻 富士に立つ影(1)
第11巻 富士に立つ影(2)
第12巻 富士に立つ影(3)
第13巻 富士に立つ影(4)
第14巻 興味特作集(珊瑚重太郎、元禄快挙)
第15巻 随筆感想集(随筆のタイトル一覧はここです。)、祖国は何処へ(終篇)