経産省による発表は常に眉唾と思った方がいいです。(2)

経産省による洗剤の評価の発表に対しさらに一言。台所洗剤とか洗濯用洗剤を評価する前に、まずは手洗い用のハンドソープの有効性を評価すべきと思います。何故なら政府はアルコールが無くてもハンドソープを含む石鹸で手を洗えばOKとずっと言っている訳ですが、それはきちんと評価した結果ではなく、単にコロナウイルスが脂肪で出来ているエンヴェロープに包まれており、石鹸に含まれる界面活性剤がそれを分解するので、結果的にコロナウイルスを消毒出来る、ということを根拠にしているからです。例えば一番売れているハンドソープはライオンの「キレイキレイ」だと思いますが、このソープは「薬用」とされ、あちこちで売り切れになっていました。しかしその「薬用」の根拠となっている殺菌成分は、イソプロピルメチルフェノール(IPM)です。(キレイキレイだけでなく一般的に薬用と称しているソープはこれを使っています。)しかし、https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/01/s0117-9d35.html
の厚労省による評価結果では、IPMは「本剤は、使用濃度においてグラム陽性菌、グラム陰性菌、結核菌には有効であるが、芽胞(炭疽菌、破傷風菌等)及び大部分のウイルスに対する効果は期待できない。」となっており、コロナウイルス消毒のため、わざわざこれを選ぶ意味はありません。(一般に消毒が必要なのは大腸菌とか黄色ブドウ球菌とかの細菌が80%でウイルスを消毒する意味は少ないので、キレイキレイに意味が無い訳ではもちろんありません。)
もし経産省が界面活性剤の中でもコロナウイルスに対して効果が少ないものがあるということを検証したいのであれば、それはまずは何よりも手洗い用のハンドソープについて行われるべきです。それをしないで家庭用洗剤の評価をしているのは本末転倒です。そもそも次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)の製品が品不足になっている訳でもなく、安価にどこでも買うことが出来ます。それであれば殺菌効果で劣る洗剤をなんでわざわざ別に使うことを推奨する必要があるのか、まさしく優先順位を間違えたナンセンスな政策です。

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