SPレコードの頭出し

LPレコードは外周部に針を落とすと自動的に針が内周部へ移動し音楽が始まりますが、SPの場合は、後期のものはLPと同じようになっていますが、多くは外周部と音楽が録音されている溝の部分はつながっておりません。従ってLPと同じように外周部に針を落とすと、いつまで経っても音楽が始まらないどころか、遠心力で針がレコードから落ちてしまいます。かといって直接音楽が録音されている溝に針を落とすと、頭出しに失敗して曲の途中から再生が始まってしまうことが起きます。
昔の人はではどうしていたのかというと、コロンブスの卵で、針を外周部に落とした後、手でカートリッジを円の中心方向に軽く押してやると、針が音楽が録音されている溝にうまく移動します。LPでこれをやると下手をするとレコードに傷が付きますが、蓄音機の鉄針での100g超の針圧に耐えるように作ってあるSPレコードはこの位ではびくともしません。「今日からはじめる蓄音機生活」(梅田英喜)という本に書いてありました。

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