私は故水木しげるさんの大ファンで、京極夏彦さんには負けますが、かなりの作品を読んでいます。
「ゲゲゲの鬼太郎」で意外と知られていないのは、あれに出てくる妖怪のデザインの大半は水木さんのオリジナルではないということです。特に敵方の妖怪は、江戸時代の絵師鳥山石燕の「百鬼夜行絵図」をベースにした模写が多くなっています。
論より証拠、画像は鳥山石燕の描く「ぬらりひょん」です。
「ゲゲゲの鬼太郎」では、鳥山石燕の妖怪が敵、柳田国男が著作で取り上げている妖怪が味方(子泣きじじい、砂かけばばあなど)という設定になっているそうです。
これを書いているのは別に水木さんを非難しているのではありません。水木さんや、カムイ伝の白土三平、子連れ狼の小島剛夕といった漫画家は、江戸時代の絵師の伝統を継承しているんだということです。