定電流回路に必要なスタートアップ回路

何回か書いているように、今回の真空管アンプは、何もしないと(単に電源スイッチを入れただけだと)右チャンネルがフル音量になるまで約10分、左チャンネルは30分かかります。これの対策で今はスタート時に0.01mAの電流を意図的に付加しており、これの処置後はすぐにフル音量になります。
これの理由ですが、定電流回路というのは、最初にスタートアップ回路と言われるものである程度の電流を流してやらないと、定電流に行き着く前に平衡状態に入ってしまうことがあるようです。MOS-FETを用いて、温度に依存しない定電流回路というのが提案されています。ぺるけ氏は、定電流ダイオードが負の温度係数を持っていて、アンプの中が例えば50℃を超えた場合などは定電流の電流値が下がる問題点を指摘されていますが、その解決策は出されていません。その答えがこの「温度に依存しない定電流回路」なんだと思います。そしてこういう回路を組んだら、最初にスタートアップ回路で一定の電流を流す必要があるみたいです。これまでの全段差動プッシュプルアンプであまりそういう問題は指摘されていませんが、電力増幅部も含めて全ての定電流回路を定電流ダイオードだけで組んだのはおそらく私が最初であり、これまでの実装例ではおそらく突入電流のようなものがスタートアップ回路の代用となっていたのか、あるいは三端子レギュレータだとそういう現象が起きにくいとか、そういうことではないかと思います。

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