本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が表悠斗3段、白番が許家元9段の対戦です。本局は何と言うか戦いが最初から最後までほとんどなかった中で、許9段が左辺から左下隅で2線の覗きを決めて、左下隅の黒に一手入れさせて一本取ったのと、右下隅方面への黒へのヨセで、割り込んでわざと1子取らせたのを下からも上からも二重に利かしに使うという小技を出して、それでリードを拡げたという感じで、結局白の5目半勝ちでした。黒は左上隅の三々に打ちこむチャンスが2回ありましたが、どちらでも決行しませんでした。もちろん手になったかどうかは分かりませんが、形勢が悪いのにそのまま淡々とヨセを打った、という印象です。表3段は17歳初出場で3回戦まで来れた、というのは立派ですが、こういう戦わない碁で上に行けるのかな、という気がします。トップの一人の井山裕太3冠がともかく目一杯の手を打つのをやはり参考にすべきではないかと思います。