本日はNHK杯戦の囲碁の放送はなくて、テレビ囲碁アジア選手権の放送が3時間ありました。日本、韓国、中国の3ヶ国7人の出場で、日本からは張栩9段と寺山怜4段が出場。残念ながら2人とも1回戦負け。2000年くらいから日本は国際棋戦で勝てなくなっています。ただ、3年前のこの大会で井山裕太6冠王が例外的に優勝しています。決勝は黒が中国の李欽誠2段で17才、白が韓国のシン・ジンソ6段で16才の、日本風に言えば高校生同士の対戦です。対局は大変な石のねじりあいとなり、盤上に5つの双方の大石がからみあう、ということになりました。白は一旦下辺から中央に延びた大石が取られましたが、その代償に右上隅の黒を取りにいきました。黒はこれに対し、右辺の白を攻め、最悪攻め取りにさせることを狙いました。これに対し白は取られていた下辺から中央に延びた大石の復活を狙って中央を切っていきました。白は右下隅に手掛かりを求めましたが、黒は手抜きして中央の白を切り離しました。この結果右辺の白は取られてしまいましたが、右下隅で劫になり、この劫は白が勝って取られていた白の大石が復活しました。これの収支は黒にメリットがあり、黒優勢になりました。残りは上辺となり、ここをうまく切り上げれば黒の勝ちでしたが、黒は無難にまとめました。右辺の取られている白からは、寄せとして1線にはねる手があり、尻尾の4子を生還させる手がありましたが、残念ながら白には手番が回りませんでした。結局黒の中押し勝ちで、李2段は優勝の最年少記録を作りました。