本日のNHK杯戦囲碁は、黒番が伊田篤史9段、白番が福岡航太朗7段の対戦です。黒はいきなり右上隅と右下隅で両三々という、ずっとNHK杯戦囲碁を10数年続けて観ていますが、この布石は初めてのように思います。そして右上隅での戦いがこの碁の焦点になり、白が黒の断点を生覗きしていったのに黒が掛けで応じ、白はすぐ何かやっていくかと思ったら手を抜いて他を打ちました。そして黒がもう一手打ってから再度右上隅に手を付けていき、黒は上辺の白を石塔シボリで団子にしにいったのですが、白が三子を継がなかったのが明るい判断で結局白は上辺を渡って、結果的に右上隅の黒地をえぐった形となり、白がリードしました。黒は挽回のため、左下隅に付けていって、下辺の白と左下隅の白を分断しようとしましたが、結局封鎖され、白は途中まで取りかけに行きましたが、最後黒を生かす方向に転換しました。その結果左辺から中央の白が厚くなり、白のリードは続きました。最後黒が左辺に仕掛けましたが、白が冷静に黒一子を取って安全運転をして、ここで黒の投了となりました。福岡7段が今期でもし優勝すると、それは伊田9段の持つ最年少優勝記録の更新となりますが、果たしてどうなるか。