水島新司の「ストッパー」全12巻を久し振りに読みました。これはコミックバーガ-という漫画雑誌にバブル全盛期から崩壊期にかけて連載されたものです。ドカベンとかには負けますが、それなりに面白い佳作、特に前半1/3ぐらいまでの、投手三原があの手この手でストッパーとして勝ち抜いていく部分がいいです。三原は全力投球で130kmぐらいしか出ない二流のピッチャーとしてドラフト外でガメッツに入るのですが、最初が超遅球、超山なりボール、ボールに傷を付けたナックル風の変化球、挙げ句の果てはワセリンやヤスリを使ったスピットボールまであの手この手で勝っていきます。更には実は左右両投げだったということで、右だとコントロールは無いながら剛速球投手と、この設定はアパッチ野球軍の網走と同じです。(実はアパッチ野球軍の前の話になる堂島剛がピッチャーだった頃の話は水島新司が絵を描いています。)途中から三原は俊足を生かしたトップバッターになって首位打者にもなり、挙げ句の果てはガメッツを三原が買い取って(三原は財閥の三男坊)オーナーになる、ということになりますが、まあその辺はご愛敬という感じです。この漫画、出版元のスコラがつぶれた関係で電子化版が現在入手出来ず、久し振りに紙の漫画を買いました。