黒田勝弘の「韓国 反日感情の正体」を読了。筆者の黒田さんは産経新聞のソウル支局長を長く勤められた方で、現在(この本の出版の2013年当時)もソウルに駐在されています。昔から、産経新聞の朝鮮半島情報は正確さで有名で、それを支えていたのが黒田さんです。元々産経新聞は今でこそ韓国内で極右新聞扱いされていますが、1970年代には朝日新聞や岩波書店は北朝鮮を礼賛する一方で韓国については悪口ばかりを書いており、それに対して朴正熙の経済拡大政策をきちんと評価した記事を書いていたのが産経新聞でした。
最近の、文在寅大統領の「反日」ぶりがあまりにひどいので、改めてこの本を読んでみましたが、基本的は既に知っていることが多くて、それを再確認したという感じです。韓国人にとっての反日は、結局植民地支配を受けただけではなく、そこからの解放を自らの独立戦争のような形で行うことができず、連合軍という外部から与えられた、という屈辱(=トラウマ)から来ており、その歴史を何とかして否定して書き直そうとしている所から来ている、という点は同感です。
2000年頃、KPOPSのCDを集めていた時期がありますが、その頃のKPOPSの歌詞で「もう2000年代なんだから、いつまでも過去にこだわって反日ばかり言っていないで、未来を見て進もう」みたいな歌詞があって、いい傾向だなと思っていたのですが、韓国の民主化というか左化によって、また元に戻ってしまったようです。この歌詞にあるように、「反日」のようなネガティブな気持ちからは何も建設的なものは生まれません。「反日」にこだわり続ける限り、韓国が日本より良い国になるということはないと思います。