角井亮一の「アマゾンと物流大戦争」

角井亮一(物流代行会社経営兼物流コンサルタント)の「アマゾンと物流大戦争」を読了。
2016年の9月に出た本ですが、残念ながら既に情報は古くなっており、例えばAmazonがアメリカで自前で物流をやり出したことには、触れられていません。でもまあその前の状況はわかって、アメリカではWeb通販の配送はUPSのシェアが非常に高いのですが、AmazonはUPSの比率を30%以下に抑え、USPS(米国郵便)を積極的に使っていたみたいです。その使い方は、一番手間のかかる仕分けの所をAmazonが行ってそれからUSPSに荷物を渡していたみたいです。
また、私は以前Facebookのポストで「Amazonの次のターゲットはスーパーマーケット」と書きましたが、アメリカでは既にAmazonと小売り最大のウォルマートが激戦を繰り広げていました。Amazonは株式の時価総額では既にウォルマートを抜いていますが、小売り業としての売上ではまだ世界12位に過ぎません。(日本ではイオングループがかろうじて16位です。)ウォルマートはAmazonに対抗して、Amazonと同様のサービスを展開する「ジェット・ドットコム」を買収、とかなり熾烈な争いをしています。
それでは日本はどうかというと、日本のネットスーパーでは、私が使ったことがあるイトーヨーカドーがネットスーパーとしては売上が一番大きいそうです。ただ、私が使っていた時は、店舗型のネットスーパーでしたが、今は別に物流センターを設けてのセンター型に変わっているみたいです。
興味深いのが、楽天も自社で物流をやろうとして、結局大赤字を出して現在ほとんど撤退状態なのだとか。(楽天物流)それに対して、自社物流をやって成功している例としてアスクルが出てきます。しかしアスクルも先日埼玉の物流センターで大火事を出して、その物流戦略に疑問が出されている今日この頃です。また、これは知らなかったのですが、ヨドバシカメラもエクスプレスメール便という一番早く着くサービスについては、自社で物流をやっているんだそうです。
日本に話を限定すると、今、日本のAmazonが日本の宅配便の個数に占める割合は、推定で十数%に既になっています。この数字は、福山通運や西濃運輸といった弱小の宅配会社数社の合計を合わせたものより大きくなっています。アメリカで物流を自社でやり始めたように、今後は日本でも自前での物流の比率が増えていくと思われます。今回のクロネコヤマトの騒動、長い目で見れば、日本発の物流サービスが、アメリカ発のロジスティクスを最優先にする企業の進化についていけなくなって、撤退を余儀なくされたターニングポイントと位置付けられるのかもしれません。

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