ウルトラマンAの「さようなら夕子よ、月の妹よ」を観ました。タイトル通り、この回で南夕子がいなくなります。伏線も何もなく、唐突に南夕子は実は月星人で、月のマグマを全部吸い取って死の星に変えたルナチクルスを倒す使命を帯びて地球にやって来たということになります。この男女合体の変身、元は大魔王シャザーンで双子の男女のチャックとナンシーが指輪を合わせると大魔王シャザーンが出てくるというのだと思いますが、脚本の市川森一の発案で、ある意味時代に先駆けた設定で良かったと思います。しかし途中で市川が抜けたため、他の2人がこの設定を最後まで守り抜こうという意欲に欠け、途中から参加した石堂淑郎がこの無理矢理な話を書いたようです。そもそも北斗と南は同じ日に生まれており、またTACに入ったのも同時で、二人に上下関係は無い筈なのに、いつも北斗は相手を呼び捨てにし、南は「星児さん」とさん付けするのは以前指摘しました。つまりは昭和の時代の男性が優位の世界観では、女性である夕子を生かした脚本を書くのが困難だったことが南夕子降板の理由ではないかと思います。私としては最後まで男女合体の変身を貫いて欲しかったと思います。