古今亭志ん朝の「お直し」

jpeg000 146今日の落語は志ん朝の「お直し」です。親父の志ん生が得意だった噺です。(というか志ん生と志ん朝の親子以外はほとんど演じる人がいません。)いわゆる廓噺、それも最下層の廓である「けころ」(蹴転がし、の略)の噺です。そういう噺であるにも関わらず志ん生は平気で戦争中でも高座にかけていたそうです。志ん生はこの落語の口演で、昭和31年に芸術祭賞を受賞しています。
お噺は、吉原の女郎と牛太郎が惚れ合った仲になりますが、店の女郎と牛太郎が仲良くなるのはご法度です。でも店の主人は話の分かる人で、二人を夫婦にしてくれそのまま雇ってくれました。二人で一生懸命働いたので、暮らし向きは楽になりましたが、そうすると亭主が女遊びを始め、ついでに博打まで始めて店に出なくなり、借金も重ねます。女房の方も亭主が休むので店に出ずらくなり、二人して店を辞めることになります。そうなるとお金を得る手段がなく、亭主は女房を最低限の女郎である「けころ」にして金を稼ごうとする…というものです。ちょっと間違えると暗い噺になりますが、志ん朝の噺ぶりはとても明るくてユーモラスです。

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