落語ではなくて怪談噺、今日も三遊亭圓生の「真景累ヶ淵~深見新五郎」です。新五郎は新左衛門の子供ですが、親父に愛想を尽かして家を飛び出していました。そのうち心細くなり家に戻ってみたら、屋敷はすっかり荒れ果てていて、親父は乱心を起こして討ち取られ、お家も廃絶となったことを知ります。墓の前で腹を切ろうとしていた所を、丁度通りがかった質屋の下総屋の主人に止められ、訳を聞かれて話し、新五郎は下総屋で働くことになります。新五郎は如才なく働き、人当たりもいいのですっかり気に入られます。その内に、新五郎は下総屋の女中でお園というのがすっかり好きになります。ところが、お園の方はいくら言いよられても、新五郎のことが虫が好かず側に寄られるのも嫌。それもその筈、お園は新左衛門に殺された宗悦の娘でした。そうこうしている内にお園は病気になりましたが、新五郎は一生懸命看病します。その甲斐あってお園は回復しましたが、新五郎は看病したことを恩に着せてお園に迫ります。ですがお園はそれでも相手にしません。その後、蔵の塗り替え工事がありましたが、工事で人が出入りする隙を狙って新五郎はお園に再度言いより、とうとうお園を積んであった藁の上に押し倒します。ところが藁の中には藁を切る押し切りという包丁が入れてあって、お園はその包丁に身を切られて命を落とします。新五郎はこうなっては、とドサクサに紛れ、店から100両という金を盗んで逐電する…といった噺です。