ヤナーチェクのイェヌーファ

ちょっと間が空きましたが、3月5日に、新国立劇場でヤナーチェクのオペラ「イェヌーファ」を観てきました。1年以上前から待ちに待った公演でした。素晴らしい公演でした。特に良かったのが、指揮のトマーシュ・ハヌスと東京交響楽団の演奏でした。ハヌスはヤナーチェクの専門家らしく、緩急自在でヤナーチェクの音楽の魅力を十分に味合わせてくれました。
歌手では、ラツァを演じたヴィル・ハルトマンが出色の出来。タイトルロールのイェヌーファを演じたミヒャエラ・カウネも悪くなかったです。反面、一番大事な役である義母コステルニチカを演じたジェニファー・ラーモアは、重みがもう少し欲しかったです。演技は非常にうまかったですが。
このオペラは、義母がイェヌーファの産んだ不義の子を冬の凍った河に沈めて殺してしまうという陰惨な話なのですが、イェヌーファとラツァの結婚式でそのことが明らかになり、結婚式に来た人が皆去ってしまう中、ラツァはイェヌーファを支え、一緒に生きていくことを誓う、という希望が持てるラストになっており、このラストが音楽ともあいまって非常に感動的でした。ヤナーチェクのオペラも色々バラエティに富んでいますが、私はこのイェヌーファが最高傑作だと思います。

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