本日のNHK杯戦の囲碁は黒が湯川光久9段、白が潘善琪8段の対局です。潘善琪8段は6年ぶりのNHK杯戦出場で、前回負けた相手が奇しくも湯川9段で雪辱を期しての対局です。布石は双方が小目を打ち合い上下対称の形です。白は左上隅から延びた石が厚みとして働くのか、それとも攻められる石になるのかが焦点でした。しかし左下隅から左辺にかけての折衝の結果、白は左辺に潜り込みましたが、黒からツケコシを打たれ、2つに分断されてしまいました。しかし白は当たりにされた4子を捨てることで、全体を連絡する手を残しました。しかし白の潘8段の判断は下辺から右下隅にかけての模様を盛り上げることで、左上隅の白の切断を放置して下辺を打ちました。黒はこの白を切っている暇はなく、まず右辺から白模様を制限する手を打ち、白が受けた後に、右下隅の白の大ゲイマジマリに手をつけていきました。これに対し白は黒を隅に閉じ込めて活かすのではなく、黒全体を殺す手を選びました。結果として黒のしのぎはうまくいかず、打った黒全体が取られてしまい、ここで勝負がつきました。局後の検討ではもっと難しくする打ち方があったようですが、それでも黒がしのげていたかどうかははっきりしませんでした。白の中押し勝ちで、潘8段は雪辱を果たしました。