NHK杯戦囲碁 一力遼NHK杯選手権者 対 高尾紳路9段


本日のNHK杯戦の囲碁は、一力遼NHK杯選手権者と高尾紳路9段の対戦です。いやー、本当に囲碁を知ってて良かったという戦いの連続の面白い一局でした。右下隅で黒が下辺を2線に這ったのに白が手を抜き左上隅を打ちました。すかさず黒が跳ね上げ、白が押さえたのに黒が切って、いきなり戦いになりました。この戦いでは黒が下辺で忙しく、中央を打つ余裕が無く、黒5子を取られてしまいました。黒はこの損を取り返すには左下隅の白をいじめるかあるいは取ってしまわないといけなくなりました。これに対して白は最悪左下隅は捨てても締め付けて厚みを築ければいいという感じで気楽でした。黒は必死に頑張り最強の手や好手を連発し、結局白13子を取り、かつ中央もそれなりにいい形で顔を出せ、黒が頑張り切りました。しかし白も上辺の地模様が大きくなり、ここのまとまり具合が勝負になりました。白はそこで目一杯囲う手では無く、これぐらいで勝ちですよ、という囲いの手を打ちました。すかさず黒は上辺の白に付けて行きました。そこで白が反発したのでここでものっぴきならない戦いになりました。しかし、黒は右辺も頑張り、また白とのお互いに眼の無い石同士の戦いも、ぎりぎりの所で制し、黒の中押し勝ちになりました。一力遼NHK杯選手権者はこれまでNHK杯戦に4回出場し、全て決勝まで勝ち進んだという素晴らしい成績です。

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