トワイライト・ゾーンの”The Sixteen-Millimeter Shrine”(16mmの神殿)を観ました。バーバラ・トレントンは大女優で、1930年代に何本もの大ヒット映画に主演しました。しかしそんな彼女ももう40代半ばとなり、容色は衰え、仕事のオファーは母親役です。彼女はそんな現実に目を背け、自宅の一室でかつての自分の主演映画の16mmフィルムを何度も何度も観て、スクリーンの自分の演技を真似するのが日常でした。そんなある日、彼女と昔共演した男優が彼女を訪ねてやって来ます。喜んで化粧して若作りした彼女でしたが、現れたのはビジネススーツを着たくたびれた中年男性でした。「あなたはタキシードを着て、シャンパングラスを片手に持って…」と彼女が言うと、元男優はそれは20年前の話で、今はシカゴでスーパーマーケットを経営していると言います。それから彼女の自分の映画への耽溺はいっそうひどくなり、寝る間すら惜しんで16mmフィルムを見続けていました。そんなある日、家のお手伝いさんが彼女の部屋に行くと、そこに彼女の姿は無く、ふとスクリーンを見ると、そこにかつての自分の映画の世界に行ってしまった彼女がいた(昔の若い自分とは別に)、という話です。何かちょっと原節子を思い出しました。トワイライト・ソーンはあまりSF色は強くないこういう話が多いようです。