NHK杯戦囲碁 辻󠄀篤仁3段 対 鶴田和志6段(2022年11月13日放送分)


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が辻󠄀篤仁3段、白番が鶴田和志6段の対戦です。布石は4隅平行対抗の星というものですが、その後黒がダイレクト三々というのが現代風です。序盤はどちらかというと黒が実利に付いていましたが、上辺の競い合いで白が2手左上隅にかけてそこを大きく地にした関係で白の余し作戦になりました。黒はまず上辺の白を攻めて中央に厚みを築き、それから左下隅から延びる白を攻め、更に右下隅の白を攻めました。白は結局3つとも活きましたが、黒が少しずつ得をし、黒の打ちやすい局面になりました。大ヨセに入った時、AIは黒が中央を守る手を第一の候補に示していましたが、黒は優勢とはいえ、守りだけの手は打ちにくかったのか、左上隅の大きなヨセに回りました。白は左辺で2手利かしを打ってから中央をハネだし、黒の上辺からの石、中央左の石、下辺からの石を分断しました。この結果形勢は混沌とし、白にもチャンスが生まれました。上辺の黒と中央から上辺左方に延びる黒の連絡を巡って大きな劫争いになりました。ここで白の劫立てで中央の黒を脅かした手に黒が劫を解消した手が機敏で、黒は切断された下辺の黒を活きる好手を用意しており、白の劫立てが不発に終わりましたので、黒が大きくリードとなりました。白は諦めずにヨセを続けましたが、結局投了となりました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA