本日のNHK杯戦の囲碁は、ついに来ました、黒番が大西竜平7段、白番が仲邑菫女流棋聖の対戦です。仲邑女流棋聖は14歳で初出場の最年少記録を更新しました。この碁の布石は黒白とも平行型の2連星で、かつそれにもかかわらず白が三間髙バサミをしたりでダイレクト三々がまったくないという、昭和の香りがする布石でした。戦いは上辺で始まり、黒が攻められながらも白の三間ビラキの間に打ち込み戦線を拡大しました。そんな中、左辺から左上隅にかかっていた2子が、黒が中央を押して白がそれに合わせて伸びた結果、白の包囲網に取り込まれて半分死んでいました。碁の流れで黒がこの2子を引っ張り出すことになりました。黒は尻尾を捨てるかと思いましたが結局強く全部を助けたので、行きがかり上白はこの黒全体(写真での左辺の黒7子)を取りに行きました。しかし黒が考慮時間を3回連続で使って白の包囲網の弱点を突いて全部を活きに行ったのが強く、白も切られて左上隅の石に眼が無く、無理矢理取りに行くと攻め合いになり黒勝ちのため、やむを得ず活き活きの形で収束しましたが、白は後手になり、白の大きな地が見込めた箇所を先手でガラガラに荒されたということになり、ここで形勢は黒に大きく傾きました。後は黒が薄い所を先に固めて行って白に付け入る隙を与えず、地合いで盤面12目程度の黒のリードが最後まで縮まらず、白の投了となりました。こうして仲邑菫女流棋聖の初挑戦は残念な結果になりましたが、今後どのような活躍をしてくれるかが楽しみです。