本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が張栩9段、白番が許家元9段の対戦です。序盤の打ち方で面白かったのは、右上隅で黒が二間に低く挟んだのに、白が13の5にケイマした手で、初めて見ました。個人的には黒が上辺を受けて黒地がほぼ固まったので打ちにくい手に思いました。局面が動いたのは白が下辺左方に深く打ち込んでからで、結果として白は下辺を捨て石にし、左辺の黒を取りました。この結果は黒が一部左辺を突き抜くことが出来ましたが全体では白の成功で形勢は白に傾きました。その後黒は白の右下隅の構えを固めてもいいと付けたのですが、白は跳ね出して反発しました。しかし結局跳ね出した石からの一団が取られ、白は損をしました。しかし白から当てが利いて厚くなり、右辺の黒が危なくなりました。ここで右辺の黒をまともに逃げ出したのがまずく、読みに抜けがあり結局劫にもならず全部取られてしまいました。最初から尻尾を捨てて本体を逃がすか、あるいは劫に持ち込めれば黒が有望でした。その後ヨセで黒が猛追しましたが、右辺の損が大きく、結局白の2目半勝ちになりました。