NHK杯戦囲碁 平田智也8段 対 許家元9段(2025年8月17日放送分)


本日のNHK杯戦囲碁は、黒番が平田智也8段、白番が許家元9段の対戦です。冒頭のインタビューで平田8段が「殴り合いをする」と言っていましたが、最後にその通りの碁となりました。序盤は黒が実利を稼ぎ、その代償で上辺から中央に延びる黒の大石がかなり攻め立てられましたが、白が途中で取りに行くのを諦めて下辺を大きく囲う方向へ方針を変換しました。それに対し黒が下辺真ん中の白の下に付けて行ったのが勝負手で、一時は下辺の黒の右側が右下隅に渡って一部生還で収束かと思いきや、平田8段の冒頭の言葉通りここからの黒の打ち回しが目一杯のもので、半分取られ掛けているような石を更に動いていって包囲している白をダメヅマリに追い込み、更に上辺から中央へ延びている白の大石の生死と絡めてシノギを図り、最後劫に持ち込んで白の劫材が無いため、白の大石が死んで黒の下辺が全部活きるということになり、黒の中押し勝ちとなりました。これまでの平田8段はどちらかというと終盤力に優れているというイメージでしたが、まともな殴り合いの力もかなりのものであることを証明しました。

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