小林信彦の「パパは神様じゃない」を35年ぶりくらいに再読。35年ぶりですが、内容を結構覚えていたのは、このエッセイがかなり印象的だった証拠でしょう。小林信彦のお子さんは、最初のお子さんが1962年生まれの真理ちゃんで、2番目のお子さんが10年空けて、1972年生まれの由紀ちゃんで、このエッセイは由紀ちゃんが生まれた時から1年半の記録です。日本では珍しいユーモア・エッセイ(後にユーモアスケッチと名付けられました)で、この分野を開拓した作品だと思います。内容は、子供が生まれるにあたって、父親は祈るくらいしかすることがないのを、自嘲的にユーモアを交えながら書いたものです。元々は子供嫌いだった小林信彦ですが、自分の子供は別で、親馬鹿ぶりがほほえましいです。世相的には、第1次石油ショックが1973年10月ですから、それが始まる直前までの記録です。
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