白井喬二の「ほととぎす」

白井喬二の「ほととぎす」を読了。昭和22年に出版されたもの。短篇集で「時鳥」、「鬼傘」、「感化れ」(かぶれ)、「阿らず」(おもねらず)、「西南役」、「第二の巌窟」、「悔武者」、「玉の輿」、「胡粉妻」、「残生記」、「平凡小次郎」、「写真伝来」を収録。「第二の巌窟」は以前既に出ていたものの再録。いずれの作品もなかなか気が利いていて面白いです。傘職人の意地を描いた「鬼傘」、仕官を志していた浪人が、長屋で隣に住んでいる手妻遣い(手品師)を手伝う内に段々と影響を受けてしまい、折角仕官が決まったのにそれを辞めて手妻遣いの手伝いをする「感化れ」、関白秀次が自害した後を追って殉死しようとしたのに、別れの盃を交わしすぎてふと居眠りをしてしまい、その間に太閤秀吉から殉死禁止の命令が出て死に損なった侍の話の「残生記」などが面白いです。

白井喬二の「ほととぎす」」への2件のフィードバック

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