スペイン風邪について

今回のコロナウィルスのパンデミックに関連して、スペイン風邪について調べています。
マックス・ヴェーバーの研究者で、スペイン風邪を知らない人はいません。何故ならヴェーバーは1920年にスペイン風邪による肺炎で、56歳の若さで死亡したからです。幾多の貴重な研究が中断して再開されることなく残されました。
スペイン風邪はその名前から想像される所とは違い、1918年3月にアメリカで感染が始まっています。カナダガンが運んで来たウィルスが、米軍の基地で飼育していた豚に感染し、それが豚の世話をしていた兵士に移ったのが最初のようです。第1次世界大戦で欧州に送られたアメリカ兵がこのウィルスを持ち込み、欧州でも感染が始まります。(第1次世界大戦中に中国から来た労働者がいて、その人達がウィルスを持ち込んだという説もあるようです。)その当時、第1次世界大戦の真っ最中で、各国は情報統制でこのインフルエンザの被害について情報を公開していませんでした。しかしスペインはこの戦争で中立を守っておりそうした情報統制がありませんでした。そんな中国王を含む重要人物が犠牲になったため、大きく世界的に報道されそれが結果的に「スペイン風邪」という名前につながりました。(スペインは当然この名前に抗議しています。)インフルエンザは通常は暖かくなると終息しますが、このスペイン風邪の場合は最初のパンデミックは1918年の8月まで続きました。その後ウィルスは2回変異してその度に毒性を強め、結局1920年の秋まで続きました。(マックス・ヴェーバーは1920年6月に亡くなっています。)
このインフルエンザの流行は第1次世界大戦中であった各国の戦力を大幅に低下させ、特にドイツ軍の1918年7月のマルヌ攻防戦での敗走は、兵士の内20万人がインフルエンザに罹患したためだと言われています。このことなど、皮肉なことにインフルエンザが第1次世界大戦の終結を早めることに貢献しています。
スペイン風邪の死者数は諸説あり、第1次世界大戦と同時期であったため、戦死者などと区別してカウントするのが難しく、またアフリカでの流行による死者の正確な統計がありません。しかし少なくとも4000万人、多ければ8000万人がこのインフルエンザで死亡したとされています。日本での死亡者は45万人と推計されています。もし中間の6000万人が正しい数字だとすると、この数字は第2次世界大戦での死者4000万人を大きく上回ります。

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